fbpx

バレエのこれがないと上達しない! 5つの要素〜その4 コーディネーション能力

正しい形を教えているのに上達しない生徒に見られる

5つの要素の解決策。

前回は、その3 柔軟性についてお話しました。

今回はその4。


プロのバレエダンサーとして活躍するために、
バレエテクニック以外で必要な5つの要素。

1. 音楽性
2. 深部感覚
3. 柔軟性
4. コーディネーション能力
5. 個性(バレエに向き合う姿勢)
 

今回は 4.コーディネーション能力 について解説します。

4. コーディネーション能力

コーディネーション能力とは、
一言で言うと

「手足を自由自在に思い通り動かせる能力」

のことです。

「5) 動きのコーディネーションの初歩的技術の習得。これによって、空間の中、動いている状態で身体の各部分を調和させること、動きを正しく行うことが可能になります。バーとセンターでの動きのコーディネーションを発達させるために、音楽リズムの課題も効果的に用います。」
(『バレエの姿勢づくり〜ストレッチと体形の矯正』 タマーラ・ワシリーエワ著 かるさびな出版 15pより引用)

ロシア・メソッドの7年生・8年生では
高度なコーディネーション能力が必要なステップが次から次へと出てきます。

例えば、回転技。
右回転でも軸脚を頻繁に変え、
続けてポジションを変えての回転、
それも軸脚を変えたり、動脚の形を変えたり、回転の方向を変えたり。

本当にめまぐるしく、回転が続きます。

コーディネーション能力なしにはこなせない技です。

上記のような技は、1年生から6年生までの段階を踏んで、初めてなし得ることです。

1年から8年まで厳密に何を行うかが
カリキュラムによって決められている海外の国立バレエ学校のように、

段階を踏んでコーディネーション能力を鍛え上げていくのは、
日本の指導の現状では難しいと思います。

なぜなら、
学校帰りの放課後にレッスンを行なうのが普通。

それでいて、帰宅時間を遅くできない。

つまり、
レッスンに割ける時間がどうしても短くなるからです。

これを無視して、深夜までレッスンするのは本末転倒です。

少しでも身長を伸ばしたいはずなのに、
そうならないような環境を作っていることになるから。
(バレエでは、身長の高さも実力のうち参照)

したがって、
海外国立バレエ学校と
まったく同じカリキュラムを使っての指導は、
事実上不可能です。

では、どうすればよいのでしょうか?

彼らと同じような高度なコーディネーション能力を、

彼らとは別ルートで手にするしか方法はありません。

オリンピックでメダルを獲るような、
世界のトップアスリートは、
自分の競技種目のトレーニングとは別に

コーディネーション能力を高めるトレーニングを行っているそうです。

前回、武井壮さんのお話を紹介しましたが、
ここでも彼の言葉が参考になります。

彼は、
「目的の競技の動きを反復するようなことはしない」
という趣旨のことを語っていました。

これをバレエに当てはめると、
「バレエの動きを反復するようなことはしない」
となります。

反復する代わりに何をするのかと言うと、
身体が思い通りに動かせるようになるようなことをする、
となります。

思い通り動かせるようになったら、
バレエの動きも反復しなくてもマスター出来る、
という考えです。

もちろん、
バレエのレッスンが全く不要になるということではありません。

むしろ、
バレエ教授法の法則や原理を短時間のうちに、
しっかり伝えるべきです。

そして、
それらはこれまで必要だと思われていたほど
繰り返さなくても習得できるということです。

そこでバレエの代わりにするのが、
コーディネーション能力を鍛えること、
となります。

これもバレエ教師は専門外。

プロのトレーナーには敵いません。

ただでさえ時間が足りないのに、
中途半端な指導をしては敗北です。

限られた時間を最大限有効に使うことを考えたら、
プロに任せたほうが確実です。

ここでも餅は餅屋。

バレエ教師は、
トレーナーに預けることで得られた時間を使って、
バレエの指導法に磨きをかけたほうが(法則を学ぶなど)、

トータルで考えてより良いレッスン環境を
生徒に提供できるようになります。

強みを生かす、です。

ただし、プロに預けるとなると、
コストが発生します。

コーディネーション能力の中でも、
バレエに関する要素を優先的に伸ばすようにしましょう。

コストを抑えつつ、
効果を最大化させるようにトレーニング内容を設計してもらうことをお忘れなく。

ここでも依頼できるトレーナーとの人脈が必要になります。

トップアスリートは、
スポンサーの力を借りて、これをしているわけです。

これが実現できたら、
生徒の実力が短期間のうちに、
格段にアップするはずです。

●実例
この考えに基づいて、
プロのトレーナーが指導するコーディネーション能力を鍛えるクラスを、

バレエの習い始めと同時に受け続けた生徒が、

1年後に、バレエ留学オーディションに合格したことがあります。

バレエ歴一年で留学できるということは、
反復は絶対に必要というわけではない、
と言うことです。

バレエの知識も技術も未熟だったにもかかわらず合格出来たのは、

コーディネーション能力の高さを評価されたからではないかと見ています。

まとめると、
・バレエの反復だけが答えではない。
・コーディネーション能力が大事。
・バレエ教師の強みを生かす。
・トレーナーとの協力体制も指導力のうち。

となります。

5. 個性(バレエに向き合う姿勢)」については、次回。

参考図書

●SNSでもご購読できます。

コメントを残すにはログインしてください。

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください