元レニングラード国立バレエ団ファースト・ソリスト、現シュツッツガルト・バレエ団ドゥミ・ソリストのニコライ・コリパエフ先生のレッスンを間近で見学させていただく機会がありました。
ニコライ先生は、アダージオクラスで、アマチュアの大人の生徒さんに対し、大変丁寧にそして的確な指導をなさっていました。
デモンストレーションもすばらしく美しい。
そのレッスンで、ニコライ先生は上手に踊るための体の使い方のポイントをたくさん教えてくださいました。
ニコライ先生がとても強調されていたポイントの一つをご紹介します。
それは、
「背中は常にまっすぐ、反り腰はダメ!」
というものでした。
これについて、何度も何度も繰り返し指摘していました。
「上半身のラインは前面よりも後面の方が長い。後ろを長くして!」 (背中を真っ直ぐにするとそうなりますね)
とも、おっしゃっていました。
で、ニコライ先生の背中はどうなっているかと言うと、
本当にまっすぐです。
首から尾骨までがわずかなカーブを残しつつも見事にまっすぐ。
このピンとした背中のラインを獲得できれば、バレエ上達が早まるのは間違いないでしょう。
背中の真っ直ぐのラインは何が難しいかというと、作るのはそれほど大変ではありませんが、それをキープするのが難しいんです。
キープは下っ腹の 「締め」 で行います。
下っ腹を常に締めている必要があります。
下っ腹が土台で、その土台の上に背骨を乗せる感じです。
土台がしっかりしていないと、背骨がふらついてしまいます。
大変ですが、これなくして美しいアライメントは生まれません。
プロのアライメントを間近で見ると、大変勉強になります。
最近では、公演前のリハーサル見学などの企画物が多くあります。
公演以外のプロの動きを、ぜひ見て欲しいと思います。