腕は長く使うというのがバレエの常識と考えられているようです。
しかし、決してそうともいえない場合があります。
腕を長く使うことでバランスを崩すことがあるのです。
例を挙げます。
バレエは背骨を上下に長くすることが大切です。
筋肉の引き伸ばしを上下に行うからです。
腕も同様で、上下に対しては長くすることが大事です。
問題になるのは、前後と左右に腕を長く使う場合です。
アン・バ、
アン・ナヴァン、
アン・オー、
ア・ラ・スゴンド
上記は腕のポジションですが、順番に「下へ、前へ、上へ、2番へ(横)」という意味です。
上下に使われるポジションは、アン・バ、アン・オーの二つ。
アン・ナヴァンで腕を前方向に長く使おうとすると、上半身が前に傾斜してお尻が後ろに行きやすくなります。
ア・ラ・スゴンドで腕を側方に長く使おうとすると上半身を上下に使う筋肉のコントロールを妨げる事があります。
上半身の力が十分に備わってからは、ア・ラ・スゴンドで長く腕を使えるようになります。
そもそも、そこまで行くのが相当大変ではありますが…。
アン・ナヴァンでは腕を前に長く使おうとせずに、上半身に近づけるように使います。
ア・ラ・スゴンドでは、腕を横に遠く長く使おうとせずに、
両肩を開き、肩が腕についていかないように上半身を保ち、腕が自然に生えているように使います。
このように使うことができるようになると、上半身の引き上げが容易になります。
決して、
腕を、上半身の引き上げの妨げになるように使わないようにしましょう。