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バレエの上達、出来ないのは誰のせい?

上達しないのは誰のせい?
 
もしあなたがこう聞かれたら、どう答えますか?
 
今回は、教師について少し考えてみます。
 
教師を3つのタイプに分けてみます。


① 熱血根性系バレエ教師
このタイプの教師は、「教わる側に根性がないから、上達しないのだ!」
と言うのでしょう。
 
確かに、それは一理あると思います。
 
でも、最近の子どもたちを見ていると、
はたして「根性」が通用するのかな?
と思うことが良くあります。
 
物が溢れ、情報が溢れる現代は、
基本的に「根性」の出番がほとんどありません。
 
「根性」を出さなくても、
ほしいものが簡単に手に入りますから…。
 
もしかすると、
「根性」という価値観は、
子ども達には共有されていないのかも知れません。
 
だとすると、
暗黙の了解として「根性」を期待しても、
空振りに終わる可能性が高いです。
 
もしこれが当たっていると、
「歯を食いしばって頑張ってくれるはずだ」とか、
「結果を出すまで諦めないはずだ」とか、
 
は、虚しい期待に終わることでしょう。
 
「根性」型の指導が、
そもそも通用しなくなっているとすると、
どのような指導が良いのでしょう?
 

② スパルタ系バレエ教師
いまだに生徒を脅迫したり叩いたりして、
上達を強要するスパルタ系教師がいるそうです。
 
心や体に傷を負って、
止める生徒が後を絶たないとか。
 
これは論外なのでここでは触れません。
 

熱血根性系教師もスパルタ系教師も
共通して失敗していることがあります。
 
それは、
子どもの自発的な「やる気」、
つまり、上達したいという意欲、
に火をつけることが出来ていないということ。
 
では、
どうすればこの「やる気」
に火をつけることが出来るのでしょうか?
 
・最初から火がついている子を集める。
 
それも一つの手ですね。
 
ここで質問。
 
「その火は誰がつけたの?」
 
プロのバレリーナかもしれないし、
絵本や映画かもしれない。
 
それも悪くはないし、
そういうケースも珍しく無いと思います。
 
でも、
日々のレッスンに通ってくる小さな子どもたちは、
 
全員がプロを目指しているわけではないし、
火のつき加減も個人差が大きいと思います。
 
その中で、
火がついている子だけに指導するというのは
現実的ではないですね。
 
実際のレッスンでは、
「やる気」の度合いもバラバラ
な生徒が一緒にレッスンを受けることになります。
 
全員がプロを目指す必要はないですが、
「もっと上手になりたい」と
 
「やる気スイッチ」がオンになる生徒が増えたら、
きっとそれは素晴らしいことだと思います。
 
どうしたら、
そんなことができるようになるのでしょうか?
 
少なくとも、
全員に同じことを言って
結果を待つような指導では出来ませんね。
 
生徒の身体条件も精神年齢もやる気も
バラバラであることが前提なので、
バレエ的に正しいことを押し付けることは出来ません。
 
「やる気スイッチをオンにする」秘訣は、
子どもの出来る限界を少し超えた課題を与えること。
 
そのためには、
提示する課題の難易度を自由自在にコントロールできる能力が必要です。
 
③ スマート系バレエ教師
エアコンで最適な風を出すのに
・風量
・風向き
・温度
などを調整しますよね。
それと似ています。
 
つまり、
「やる気」のコントロールスイッチを複数持っていて、
それらを自由自在にコントロールすることができる能力のことです。
 
誰かれ構わず、
「5番にしっかり入れて」
と連呼しているようではダメなのです。
 
そういう意味で、
現代の指導には、複数のスイッチとそれらのコントロール力が必要です。
 
それらを教師個人の経験に求めてしまうと無理があるので、
知識 として学ぶ必要があります。
 
知識を駆使して、
子どもたちをリードする必要があるのです。
 
子どもだけでなく大人に対しても、
 
教授法や生理学などの知識を駆使して教える必要があります。
 
生徒によっては、行ってはいけない動きもあります。
 
何がよくて何が行けないのか、という判断にも知識が必要です。
 
これを得るには、
本を読んだり、教材で学んだり、セミナーや講習会などに参加することをお勧めします。
 
そして、
それらをバレエの指導に活かすことが大切です。
 
学んだ知識を単に横流しするように生徒に伝えてはいけません。
 
知識の取捨選択をし、
生きた情報として生徒に伝えるべきです。
 
そのためには、
まず軸となるバレエ教授法をしっかりと習得するべきです。
 
そのうえで、
レッスンの現場に合わせて、
エアコンのスイッチを自由自在に調整するように
 
様々な知識を組み合わせて
子ども達のやる気スイッチを調整するのです。
 

さて、最初の質問の答え。
 
上達しないのは、昔も今も教師のせいです。
 
根性論で上達するのは、ごく一部です。
 
無理しても怪我をしなかったラッキーな生徒が上達するだけです。
 
教師が導いたわけではないんです(そのことに気づかず、手柄を持って行く教師がいますけど…)。
 
根性で指導すると、ほとんどの生徒が怪我をします。
 
教師に知識がないから、生徒が怪我をするのです。
 
教師に知識がないと、ほとんどの生徒は上達しません。
 
いつの時代も同じです。
 
「根性論」を捨てて、
「知識」で生徒を上達させるスマートな教師が増えるといいですね。
 
 
 

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