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同じロイヤル・バレエ団でも違う二つの腕の使い方

回転を助けるも殺すも腕次第…
 
なんてことを考えたりします。
 
2つの腕の使い方に着目してみます。
 

まずは、動画から。
 
元ロイヤル・バレエ団 プリンシパルのダーシー・バッセルさんのチャイコフスキー・パ・ド・ドゥの最後の斜めのターンでの腕の使い方に注目してください。
 

 
腕、相当前ですよね。ほとんど伸びています。
 
この腕で上半身を保つのは相当難しそうです。
 
回転軸に対して離れた位置に腕があると、
 
軸を保つのが大変です。
  
ダーシー・バッセルさんの、この腕を保てる上半身はすごいです。
 
腕が前でも上半身を崩さないのは、体幹が強いから。
 
体幹が太いとも言えます。
 
胸郭がしっかりと太いです。
 
ただ、腕がこれほど前にあると、回転のスピードは出ません。
 
少しゆったりとした回転になっているのがわかります。
 
 
続いて同じ作品で、同バレエ団 現プリンシパルのマリアネラ・ヌニェスさん。
 

 
腕、伸びてないですね。軸に近づけています。
 
この方が回転軸を保つのが容易ですね。
 
回転のスピードも速いです。
 
ダーシーさんに比べたら胸郭が細いです。
 
最後の回転は腕を少し伸ばして回転のスピードを落とすという狙った使い方をしています。
 
このように緩急を付けることで表現しようとしていることがあるのですね。
 
 
どちらのダンサーもロイヤル・バレエ団の方で、腕の使い方が違うというところが面白いですね。
 
メソッド的にはこの使い方、というものはありますが、
 
踊りの質や、オリジナルに近づけるためには何をすればよいか、または自分が表現したい回転は何か、
 
というところは、踊り手に任される部分です。
 
踊り手の個性が発揮される部分です。
 
そういった踊り手の個性を読み取るためにも
 
各メソッドが示している、正しい腕の使い方が分かっているといいですね。
 
バレエが一層楽しくなると思います。
 
 
回転時の腕の使い方については、
 
森脇俊文トレーナーと石島みどりが対談しているので、こちらもチェックしてみてください。
 
 

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