ターンアウトについて、ワガノワ・メソッドの書籍では下記のように記されています。
「脚の付け根からつま先までを体の外側に向けて開くことの出来る能力です。生まれつき外に開きやすい関節である場合と、地道なレッスンを続けて出来る様になる場合があります。脚を外に開くことで、体を支えている足元の面積が広がり、動きの幅が広がります。これは同時に、テクニックの向上にもつながります。」
(『ロシアバレエレッスン① 初級編 第1学年』エマ・A・ブリャーニチコワ 著 音楽之友社 18pより引用)
ワガノワ・メソッドの教科書でさえ、条件を満たしていない生徒にとっては、ターンアウトを習得するには地道な努力が必要不可欠としています。
ターンアウトは、大変なことなんです。
そもそも、ターンアウトはなぜバレエに必要なのでしょうか?
それは、
「下肢の動きを自由にさせるため」
です。
実はもう一つあります。
それは、
「下肢の動きを見えやすくするため」
です。
今回は、1番の目的「下肢の自由」について。
ターンアウトは股関節に対して相当過酷な状況を作り出していますが、それによって動きに幅が出てきます。
芸術表現のために、身体に不自然な負荷をかけているという状況です。
これがターンアウトの目的。
表現のため。
だから、「表現」が出来てなければ意味がありません。
体の筋肉を硬直させて、必死にターンアウトをしていたら表現は出来ません。
ターンアウトのために「お尻を締めて」という指導がありますが、このようなターンアウトが表現につながるでしょうか?
お尻を締めて行うターンアウトは、動きに幅を持たせるでしょうか?
正しいターンアウトの仕方が分かれば、表現が可能になります。
ワガノワ・バレエ・アカデミーの生徒に直接聞いたところ、お尻を締めるように指導をされたことは一度もないそうです。
ターンアウトのコツについては後日、お伝えします。
参考教材