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デュエットで代表的な三種類の手の握り方

男性とデュエット(日本ではアダージョという言葉が一般的です)を踊る時、

 

手をつないでバランスをとったり、回してもらったります。

 

バランスの代表格、アチチュード。

 

アチチュードでのバランスやプロムナードの時、手の握り方に三種類あることをご存知でしょうか?

 

「デュエットの教科は舞踊学校の最後の3年間に、女性のクラシックの学習プログラムに完全に対応して習得されます。レッスンはどの学年も週2回、2アカデミー時間(※)で行われます。この教科の成果があるかどうかは、女性がいかにきちんとクラシックをマスターしているかにかかっています。男性パートナーの動きやサポートの方法はすべて、クラシックで確立されている女性の正しいポーズを前提にしています。」※2アカデミー時間は90分

(『デュエットの技法』ニコライ・セレブレンニコフ著 かるさびな出版 13pより引用)

 

女性の正しいテクニックとポジションが大変重要視されていることがこの記述から見て取れます。

 

 

男性との手の握り方。

 

このブログをご覧になっている方のほとんどは、海外の国立舞踊学校に通われていない方だと思います。

 

ですので、男性と踊る経験が非常に限られているか、まったくないという前提で、デュエットのクラスで学ぶ男性との手の握り方について今回は解説します。

 

男性にとって負担がかかる握り方、負担が少ない握り方があるのです。

 

今回は、プロムナードなどを行うときの握り方についてご説明します。

 

写真の通り「握り方」は、3種類あります。

 

  1. 腕相撲で合わせるような握り方
  2. 人差し指と中指を伸ばす握り方
  3. 人差し指だけを伸ばす握り方

 

引用した書籍、『デュエットの技法』には1の握り方は紹介されていますが、

 

2と3の握り方は紹介されていません。

 

2と3の握り方は、最近行われるようになってきた握り方と言えます。

 

なぜ、2と3の握り方が出てきたのか?

 

1との差は何なのか?

 

男性目線で考えると2と3の登場を理解できます。

 

 

1は、男性の手首に大変な負担がかかります。

 

女性の手が上から覆いかぶさってくるので、手首が甲側に倒れやすくなります。

 

男性にとっては、形を維持するのが難しい握り方と言えます。

 

特にバレエ学校の男子生徒にとっては、難しい握り方です。

 

 

2は、男性女性ともに、二本の指が相手の手首をまたがっているので、力の分散ができます。

 

その結果、男性の手首への負担が1に比べて軽減できるので、怪我に繋がりにくい握り方になります。

 

女性は、力任せに男性に頼れないので、自分でしっかりと立つということをしなくてはなりません。

 

女性にとっては、体幹でしっかりと立つことを要求される握り方です。

 

 

3は、女性にとってありがたい握り方である1と、男性にとってありがたい握り方である2の

 

お互いの負担を分け合ったような握り方で、中庸案と言えます。

 

 

男性と女性が、お互い気持よく踊れるように

 

お互い負担をかけないように努力することはとても大切なことです。

 

ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーでは、デュエットを行う際、女性の体重制限があります。

 

50kgを超えるとデュエットクラスの受講ができません。

 

男性の怪我予防のためです。

 

 

デュエットは、女性が男性に頼るものではなく、

 

お互い協力しながら踊るものです。

 

ここをしっかり理解する必要があります。

 

 

参考書籍
『デュエットの技法』ニコライ・セレブレンニコフ著 かるさびな出版(国会図書館データベースへのリンク)

 

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