
「バットマン・タンデュは、あらゆる舞踊の基礎である。その創造者は、脚の靭帯の構造と機能の本質そのものを深く理解していると思われるほどに、その発見は偉大なものである。
(中略)
脚が正しく動いていないときは、その舞踊手は、かつて厳格なバットマン・タンデュの教育を受けなかったということがすぐわかるのである。」
(『ワガノワのバレエ・レッスン』アグリッピナ・ワガノワ 著 新書館発行 1996年初版 55pより引用)
バットマン・タンデュは踊りの質を決めるとても大事な動きです。
バットマン・タンデュの質を上げるためには、ゆっくりな動きから徐々に速い動きへと移行させて訓練します。
8つにレベル分けした音の取り方を紹介します。
<レベル1>
1、2、3、4 バットマン・タンデュで脚を出す
1、2、3、4 そのまま休止
1、2、3、4 脚をポジションに戻す
1、2、3、4 そのまま休止
<レベル2>
1、2、3、4 バットマン・タンデュで脚を出す
1、2、3、4 脚をポジションに戻す
<レベル3>
1、2 バットマン・タンデュで脚を出す
1、2 そのまま休止
1、2 脚をポジションに戻す
1、2 そのまま休止
<レベル4>
1、2 バットマン・タンデュで脚を出す
1、2 脚をポジションに戻す
<レベル5>
1と バットマン・タンデュで脚を出す
2と そのまま休止
3と 脚をポジションに戻す
4と そのまま休止
<レベル6>
1と バットマン・タンデュで脚を出す
2と 脚をポジションに戻す
<レベル7>
1 バットマン・タンデュで脚を出す
と 脚をポジションに戻す
<レベル8>
と バットマン・タンデュで脚を出す
1 脚をポジションに戻す
レベル1から8まで書きましたが、どのように音を取っていくか、感じていただけましたでしょうか?
休止の取り方がありましたが、これは、出した先でのポジションチェックと、戻した先でのポジションチェックをきちんと行うようにという意味があります。
出したら出しっぱなし、戻したら戻しっぱなしではなく・・・。
一つ一つのポジションをおろそかにしてはいけませんよ、という意味です。
ここまで厳密に音取りに注意したら、筋肉も相当しっかり動かしていないといけません。
音の中で筋肉を使い切っている感じです。
バットマン・タンデュ以外のステップも同様にレベルアップさせていきます。
ゆっくり行い、それぞれのポジションをチェックし、動きそのものを筋肉にたたき込ませる。
これを繰り返し繰り返し行います。
気が遠くなりそうですが、これが上達への道です。
近道でも遠回りでもなく、正道です。
参考図書:
『ロシアバレエレッスン ① 初級編 第1学年』 (エマ・A・プリャーニチコワ 著 音楽之友社 1994年)
『ワガノワのバレエ・レッスン』アグリッピナ・ワガノワ 著 新書館発行 1996年初版