「この動きのときは、このようなニュアンスで行う」
と、バレエ教授法では、ニュアンスについてまで指示があります。
バレエ教授法と聞くと、テクニックの指導法のように思われるかも知れませんが、それだけではないんです。
今回は、ニュアンスについて探ってみましょう。
上記の写真は、「プリエのエファッセ・ドゥヴァン・小さいポーズ」です。
このポーズでのニュアンスはどのようなものでしょうか?
「前の腕の指先で、出した脚のつま先を示す。
その示した方向に、頭が向かっていくように。
ほら!見て!というニュアンスで。」
上記のようなニュアンスを持って、このポーズを形作ります。
そのニュアンスのために、動きの細かい指示が入ります。
出した脚と腕は平行を描く。
視線は腕の上から覗くように足先に向かう。
少しだけ手の平が上向きになる。
など。
このように、ニュアンスと行い方が相まって、深みのあるポーズになります。
ここで、ニュアンスが抜け落ちたらどのようなポーズになるでしょうか?
私がよく口にするフレーズ、
「決してお控えなすってのポーズにならないように!」
仁義を切る、そうあのポーズ。
時代劇とかでよく見るポーズです。
松竹 寅さんシリーズ 男はつらいよ HDリマスター版 [DVD]
バレエ的なポーズのニュアンスが抜け落ちると、
お控えなすって
になってしまうのです。
これは気をつけないといけません。
バレエ教授法では、動きやポーズのニュアンスも含めた指導をします。
この部分が抜け落ちて、何筋を鍛えるのか、とか、どの筋肉を意識するのか、とか言い出すと、バレエではなくなってしまいます。
バレエ的なニュアンスを欠いた動きやポーズは、ただの身体運動です。
あなたの動きには、ニュアンスが含まれているでしょうか?
身体運動を芸術に高めるために、ニュアンスは必須です。
PS
バレエ教授法に則ったニュアンスを学びたい方は、こちらへお越しください。