私のレッスンにお越しいただいている大人リーナたちは、
私の
「バランスは筋肉で取らず、骨で取るように!」
という言葉に、
少なからず驚かれるようです。
ドゥミ・ポアントでバランスをとるとき、
趾(足指)をくるんで熊手のように縮めて使う方がいらっしゃいます。
そのような使い方をする方は決まって、筋肉でバランスを取っています。
過度に緊張して、バーがなければすぐに落ちちゃいそう。
バランスを取る際に一番大事なのは、筋肉ではなく、骨に乗ることです。
ドゥミ・ポアントなら、趾(足指)の付け根にしっかり重心を乗せ、接地面積を多く取る必要があります。
トゥの先端でバランスを取ることは、あまり考えなくて良いです。
トゥで行うアダージオの動きは通常、男性とのデュエットで行われるので、支えになる手(男性の)があります。
トゥで立つ動きはほとんどがアレグロと同じ動きなので、トゥでのバランスは今回は触れません。
この足裏の感じ。しっかり趾(足指)の付け根が折られています。
この付け根に重心を乗せるだけ。
なのに、なんで趾(足指)がくるまってしまうのでしょうか?
その答えはとても単純です。
「ドゥミ・ポアントのかかとが高すぎるから」
付け根が折れる可動域を超えると、筋肉が不必要に働き始めます。
これが犯人。
で、こう指導するのです。
筋肉なるべく使わないように!
と。
可動域を超えると緊張状態になるので、バランスは崩れやすくなります。
バランスは振り幅を修正できる範囲に収める必要があります。
可動域の8割程度に抑えたほうがいいです。
あとの2割で振り幅の修正を行う。
そして、その修正は筋肉で行います。
プロのバレリーナは趾(足指)の付け根の可動域がとても大きいのです。
だから、かかとが高いドゥミ・ポアントでも難なくバランスが取れるんです。
要するに、彼女たちは可動域8割でバランスを取っているということになるんです。
その高さを目指してはいけません。
前提条件が違うので…。
ターン・アウトと同じで、
ドゥミ・ポアントも高くするようにという指導をする先生がいらっしゃいます。
この指導は多くの大人リーナにはお勧めできません。
大人が可動域を広げるのは、相当大変ですから。
ターン・アウトを無理に強要せず、
高いドゥミ・ポアントを強要しない。
こういう教師が大人リーナを指導するのが理想です。
ロシアメソッドでは趾(足指)の訓練法があります。明日のバスターズでお話させていただきます(多分有料コーナーで、悪しからず)。