先日「指摘なしで、レッスンするバレエ教師」で、
指摘も指導もしないバレエ教師について触れました。
実は、そのような教師が必要とされる場があります。
その場とは?
バレエカンパニーです。
バレエ学校でアカデミックなバレエレッスンを受けてきたダンサーが、
バレエカンパニーに入団して、受けるレッスンがあります。
これがカンパニーレッスンです。
リハーサル前のウォーミングアップのために行うレッスンという位置づけなので、
指摘や指導は入りません。
アカデミックなレッスンをバレエ学校で受けてきたダンサーに、指導は必要ありません。
指導の必要があるダンサーがいたらおかしいです。
そこで行われるレッスンは、ステップの羅列。
バレエ教師が次から次へとステップを提示し、ダンサーはそれをこなす。
多少ステップが間違っていてもお構いなし。
バレエ教師は、ステップの注意点・課題・間違いの修正など、ほとんど行いません。
カンパニーレッスンの目的はダンサーのウォーミングアップです。
それに対して、バレエ学校で行われるレッスンは、アカデミックレッスンです。
ステップの課題・注意点・音の取り方など、生徒たちは教師の指示通りに動く必要があります。
教師はステップを完成形に持っていくために、生徒たちに指導します。
アカデミックレッスンの目的は生徒の上達です。
もう一度言います。
カンパニーレッスンの目的はダンサーのウォーミングアップです。
アカデミックレッスンの目的は生徒の上達です。
目的が異なるので指導内容も異なります。
別の視点で言うと、
カンパニーでは給料がダンサーに支払われます。
アカデミックな学校では生徒が受講料を払います。※税金で賄う国もあります。
お金の行き先が違うのです。
受講料をとってカンパニーレッスンを提供してはいけないのです。
お金の流れだけを考えると、カンパニーレッスンを提供するなら教師が生徒にお金を払わないといけない、ということになるのです。
カンパニーレッスンを提供して受講料を頂くのは、ビジネスとして破綻しています。
そのツケを団員に負わせている、言い換えると、団員に甘えている教師やバレエ団が存在します。
これはいけないことです。
万一、受講料を頂くなら、アカデミックなレッスンをしないといけません。
この違いを教師は絶対に理解していないといけません。
バレエ団でレッスンを受けていたダンサーが教授法を学ばずに教師になると、この勘違いを団の外でしてしまうことがあります。
大人リーナのみなさんは、教師がカンパニーレッスンをしているのか、アカデミックレッスンをしているのか見分ける必要があります。
カンパニーレッスンにお金を払ってはいけませんよ。
逆にいただかないと(笑)