『白鳥の湖』オデットとオディールのヴァリエーションをバレエ教授法的に考察してみると…

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先日、なんとなく見ていた動画サイトで

「オデットVa 初心者バージョン」

というものを見つけました。

そこで目にしたものは、バレエの奥深さを改めて感じさせてくれるものでした。

 

大人リーナでも子どもでもヴァリエーション指導をするときに、私が1番大事にしていることは、

「オリジナルの振りを損なわないこと」

です。

生徒さんの実力に合わせてレベルを下げて指導するのなら、

ステップの正しいレベルの下げ方を知っておく必要があります。

もちろんステップのレベル以外にも気にしておくべき項目があります。

白鳥の湖でその項目を考えてみましょう。

 

オデットを考えるとき、私が気にするのはオディールとの対比です。

オデットの回転はアン・ドゥオール、オディールはアン・ドゥダン。

オデットの進行方向は上手から下手、オディールは下手から上手。

オデットの腕はアロンジェ、オディールはアロンディが多い(アロンジェも使う)。

ですので、このオリジナルの回転方向、進行方向、腕の形は崩せません。

腕のアロンジェには、跳び立つ印象を残すアラベスクのポーズと、柔らかい肘の使い方による優しさや上品さを表現するという2つの役割があります。

オデットの踊りには、この2つの役割が存分に発揮されています。

ですので、アロンディ(肘が丸まった)のポーズは皆無なのです。

逆に、オディールは悪を表現するので力強さが必要です。

その力強さのためにはアロンディが都合が良いです。

 

さて、動画サイトで見た初心者向けのオデットの振りでは、アロンディのアン・オー(ワガノワ・メソッドでは第3ポジション)でのポーズがありました。

そしてそのときの脚は5番でのルルヴェでした。

両脚でのルルヴェは、「喜び」を表現しますので、オデットとは正反対の動きです。

腕も、脚もオデットから遠のいていました。

これがとても残念でなりませんでした。

もしレベルを下げるのなら、回数を減らすとか、脚を低くするとか、そういったテクニックの部分で落とすべきでした。

全く違う振りを、生徒さんができるという理由のみで選ぶのは問題です。

 

もちろん、まだまだ私も学ぶ立場です。

ですが、バレエには「正しさ」が存在します。

それは個人の感覚とか趣向より優先されなければなりません。

だからバレエを教える立場の者は、その「正しさ」を知っている必要があります。

知った上で、生徒さんの身体能力によりどうしても「離れる」必要があれば離れる。

それがバレエに対する敬意の現れだと私は考えます。

 

とは言え、日本にバレエの正しい情報が得られる環境が整っているかと言うと、残念ながら、そうとは言い難いです。

ですので、「バレエの正しさ」を私なりに皆さんと共有していきます。

バレエを教える立場として、間違ったことを教えているかもしれない、という恐怖心は常に持ち続けたいと思います。

 


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