バレエでは、音の取り方をとても重視します。
アクセントは外なのか、中なのか。
見た目はアクセントが中だけど、ダンサーの意識は外。
など、見た目と実際の動きの差についても細かく決められています。
今回はその差についてパ・バロネを例にご紹介します。
『パキータ』パ・ドゥ・トロワのコーダで出てくるパ・バロネ。
正しい動きは上手の女性。
アクセントが外になっています。
見た目は中だけど、しっかりフラッペの動きをしています。
パ・バロネにはフラッペの動きが入っています。
フラッペのアクセントは外。
なので、パ・バロネのアクセントは外です。
外で膝が伸びていないといけません。
下手の女性は少し膝が曲がっています。
なので、フラッペの習得が十分でないことがわかります。
違いが見分けられましたか?
パ・バロネのアクセントについてバレエ教授法を知らなかったら、
膝を曲げる方を重視するかもしれません。
バロネの意味は、「膨らんだ」です。
なので、上で膨らんでいないといけません。
アクセントは上だし、外。
言葉の意味からも動きの性格がわかります。
これが「YouTubeをよく見て」と安易に言ってはいけない理由の一つとなります。
予備知識がないと同じ動画が違って見えてしまうからです。
レッスンで、パ・バロネで膝を曲げる方を重視する指導に遭遇したら、その教師はこのことを知らないか、メソッドが違うかのどちらかです。
この動画を見ても、膝を曲げる方を重視しているように見えているかも知れません。
すると真逆の指導がなされます。
もし生徒さんが両方の教師の指導を受けたとすると、混乱必至ですね。
どちらのバレエ教師も「正しい」指導をしていると認識していますので、このままでは答えが見えてこないでしょう。
おそらく日本のバレエ教室では多かれ少なかれこういった混乱が存在していると思います。
これを放って置くのも一つですが、改善を期するなら教師か生徒のどちらかが「本当の正しさ」を身につけるしかないと思います。
本来なら、海外と同様にしっかりとしたバレエ教授法の教育を受けてからでないとバレエ教師になれないようにするべきだと思います。
それが望めないなら生徒さんの方が先にバレエに詳しくなってしまうしかないと思います(こちらのほうが現実的)。
「この先生見えてない。」
と分からずにレッスンを受けるのと、分かってて受けるのとでは、生徒さんが受け取るメッセージはずいぶん異なります。
同様にバレエのステップの行い方に関する記事に出会ったら、そこで正しさを学ぶのはちょっと危険です。
自分の経験や感覚を「正しい」と信じて、読者のためにと愛と善意を込めて文字にしているのかも知れません。
そういった現状を踏まえて、私が大人の生徒さんにアドバイスさせていただけるとすると、少なくとも著者がどのメソッドの解説をしているのか、そもそもバレエ教授法を修得しているのか、といったことを確認されたほうが後々の混乱を避けるという意味で、またスムーズな上達を果たす上でよろしいのではないかと思います。
もちろん、この記事も例外ではありません。








