
クラシックバレエにおけるピルエットはテクニックの領域になります。
移動を伴う動きのバレエに対して、
テクニック系の動きは装飾という位置づけで、ピルエットやジャンプはここに該当します。
一方、ピルエットをどうしても回りたいという大人リーナが多くいらっしゃいます。
今回はピルエットで悩んでいる方が少しでも減るように「ピルエットの考え方」についてお話します。
YouTubeなどで、『ピルエット攻略法』的な動画が多く見られます。
ときどき拝見させていただきますが、HowToに終始していて、ピルエットの概念に触れないものがほとんどです。
ピルエットでいちばん大事なのは、
- 何が回転するのか
- 回転に必要な力をどこで得るのか
この二点です。
バレエ教授法で学ぶ2つの考え方は
- 回転の法則
- 回転のフォース
ロシア人の先生は、しきりに「フォースは、フォースは」とおっしゃいます。
さぁ、何が回転するでしょうか?
それは上体です。
回転の方向に en dehors と en dedans がありますが、それは脚に対しての考え方なので、上体の回転という部分では話題にしなくてもいいことです。
上体が回る。
そのために、回転の法則があります。
回転の法則とは、
「回転方向と反対の腕・肩・脇・腰を積極的に回転方向に送る」
です。
この法則さえわかっていれば、脚がどう動こうが関係ありません。
続いて、フォース=回転力をどこで得るか?
脚のポジションによって、フォースの捉え方が違うので、少し込み入った話になります。
したがって、ここではあえて触れずにおきます。
考え方としては、床を踏む力でフォースを得るのか、それとも腕だけでフォースを得るのか?
脚のポジションによっては、床を踏む足と腕の2つのフォースを得られるものがあります。
この回転は十分なフォースが得られるので、回転しやすいですね。
問題は足のフォースがあまり使えないポジションで腕の働きのみで上体を送る場合です。
足が使えないので、腕を使いますが、腕を振り回さないためにも力強い上体が必要になります。
力強い上体のためには、上体を十分に支えられる筋力が必要になります。
腕を働かせるためには、強い上体が不可欠だということです。
足のフォースを使える場合は、それほど上体の強さを必要としません。
おわかりいただけたと思いますが、フォースがどれくらい使えるかによって、ピルエットの行い方が変わるということです。
脚のポジションがどうだとか、腕をどのくらい開くとか、そんな枝葉末節の部分に終止していては、上達は望めません。
動きの本質を捉える。
バレエ教師に求められる素養です。
もちろん、生徒さんも知っておいて損はないです。
枝葉を語るだけのYouTube動画に惑わされている時間はありません。
今回は行い方の詳しい解説はしませんでした。
フォースをどこで得るのか、という部分に着目することによって、細かい指示が生きてくると思います。
普段の先生の指摘が今後、どのような変化を持って聞こえてくるのか、ぜひ体感していただきたいと思います。
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