
令和4年1月21日の大人リーナのお悩みバスターズサロンのテーマは
「大人のための苦手なアレグロ攻略法」
通常、アレグロと聞くとジャンプを想像すると思います。
ですが、アレグロにはジャンプという意味はありません。
どんな意味があるかと言うと…
まず、アレグロは音楽用語です。
アレグロ(Allegro)、意味は「速く」
テンポはメトロノーム記号では132前後となっています。
その他、よく聞くのは、
アダージョ(Adagio)、意味は「ゆるやかに」 。テンポは、メトロノーム記号では56前後。
アンダンテ(Andante)、意味は「歩く速さで」。テンポは、 メトロノーム記号では72前後。
そうです。アレグロは「速く」という意味。「速く動く」です。
アグリッピナ・ワガノワ先生はアレグロについてどのようにお考えだったのか、見てみましょう。
アレグロについては、その特別な意義を強調したいと思う。アレグロには、舞踊術、そのすべての複雑性、そして将来の完成への保証が詰め込まれている。舞踊全体が、アレグロを基礎としているのである。
思うに、アダージョは、舞踊術の特質を充分に表すものではない。アダージョでは、男性舞踊手のサポート、場面の状況の劇的要素や叙情性等々が、女性舞踊手を助け補うからである。今日では、実際、アダージョには多くの絶妙な動きが取り入れられているが、しかしそれらはすべて、かなり男性舞踊手の技能に依存している。だが、ヴァリエーションによって感銘を与えることは別問題である。そこでこそ、舞踊教育が物を言うのである。しかしヴァリエーションだけでなく、ソロでも群舞でも、大多数の踊りは、アレグロを基礎としている、すべてのワルツ、すべてのコーダ―それはアレグロである。
『ワガノワのバレエ・レッスン』29pより~アグリッピナ・ワガノワ著 新書館発行
アレグロこそが、舞踊に於いて一番大切だと仰っています。
アレグロのテンポで踊られることが大事なのだと。
ただ、跳んでりゃいいと言うことではありません。
アレグロのテンポに合わせて自由自在に体を動かすことが大事なのです。
テンポに合わせて踊るということはとても難しいですね。
まずは動きを丁寧にゆっくりと行う必要があります。
それができるようになって徐々にテンポと回数を上げていきます。
これが上達するということです。
ゆっくりで出来ない動きを速くすることは出来ません。
ところが、踊り慣れた生徒さんの中には、速く動けているように見える方がいらっしゃいます。
アレグロの速さで動けているからそれでいいのかと言うと、そんな事はありませんね。
一つ一つの動きが正しくなく、不完全なまま速く動けてしまっている。
これって下手ウマです。
ご自身でそれを自覚するのは難しいかも知れませんが、そう言う方をお見受けすることがあります。
でも、これではいつまで経っても踊りの完成度は上がりません。
まずは、速くないテンポで正確な動きをなぞることが大事です。
年始に行われたワガノワ・バレエアカデミー教授法学科長マリア・アレクサンドロヴナ・グリバーノワ先生のセミナーでは、
「1年生では、何が正しくて何が正しくないかをしっかりと学ばないといけません。この正しさを理解することがダンサーにとって一番大切です。なぜなら、間違った行い方を続けると、必ず怪我につながるからです。」
と、仰っていました。
正しさを優先して、その後にテンポアップを図りましょう。
そして、これが大事なのですが、ぜひ大人リーナのみなさんには、正しいことを学べる環境を整えていただきたいです。
アレグロが苦手な方は、ぜひゆっくりかつ正確な動きから取り掛かっていただきたい。
文字通りの急がば回れ、です。
アレグロがテーマの今月のバスターズバスターズは1/21(金)21:30開始です。
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