
バレエ教授法を習っていると、
バレエの奥の深さに触れることができます。
表現と動きの関係がとても明確なのです。
普通、表現 という言葉を聞くと、
自分の感情だったり、内面性が浮き出てくるだったり、
そんなことを想像しますね。
バレエにおける 表現 って一体どんなものなんでしょう?
なぜ、こんなことを思ったかというと、
「ステップを正確に踏むということに気をつけているだけでも大変なのに、感情表現なんてエネルギーの要ることをダンサーたちはやっているのだろうか?」
と、思ったからです。
感情表現って相当エネルギー要ると思うのです。
一つの舞台をこなすだけでも体力的にヘトヘトに疲れるはずなのに、感情表現まで…。
答えがつい最近、見つかりました。
教授法のクラスで、担当の先生が、
大きいポーズと小さいポーズの使い分けについて説明してくれました。
ランバルセについて説明されていた時のことです。
「通常ランバルセは大きいポーズで行いますが、小さいポーズで脚を低くしたまま行うことがあります。この時のランバルセは 悲哀 を表現します。」
ということは、大きいポーズで脚を高く上げた時は、ハツラツ とした感じ、喜び などを表現するということになります。
自分の感情を表に出さなくても、型が感情を表す。
なんとも心地よい。
ちなみに、ランバルセの悲哀はこんな感じです↓↓↓
ランバルセ以外のステップでも、頭のもたげ方や視線の方向、腕の使い方などで充分に悲哀感漂っていますよね。もちろん顔の表情もですが…。
(ランバルセの動きは0’29~0’33)
ワガノワ・バレエ・アカデミーでは、この頭の付け方を徹底的に学びます。
あまりに頭を振り動かすので、頭がもぎれて落ちるのではないかという感覚になるそうです。
ワガノワ・バレエ・アカデミー5年生のレッスンでの頭の使い方をご覧ください↓↓↓
バーの動きは、これでもかって言うぐらい頭を振り動かしています。
本当にもぎれて落ちそう…。
ワガノワ・バレエ・アカデミーでは、
クラシックレッスンの中での頭の使い方(上半身の使い方)、そして演技クラスでの表現法。
この2つが相まって表現力となるのだと思います。
そりゃ、スタニスラフスキー・システムで有名なコンスタンチン・スタニスラフスキーを生んだロシアだもの。
そりゃ、表現に関してはいろいろテクニックがあるはず。
バレエと表現
型自体が表現になっていることは確かですね。
型の持つ力は侮れません。
生徒の表現力のために何をするべきか、指導者は迷うところだと思いますが、
正しい型を教えれば良い
が答えとなります。