「顔を残して、顔を素早く戻して」
これは、ピルエットでスポットを指導する際の、教師の常套句です。
ですが、
顔を残そうとすると、首が傾げて肩が上がってしまう。
という現象が、良く起きてしまいます。
さて、どうすればいいでしょう?
答えは…
と、その前に、
首の可動域、ご存じですか?
最大で180度程度です。
でもこの可動域、人によってまちまちです。
プロのダンサーは180度近い可動域を持っている方が多いようです。
180度ないのに、首を残そうとすると変な形になってしまいます。
じゃ、どうすればよいのでしょう?
自分の可動域の中で首を使えばいい。
可動域を把握して、どのくらいの回転までは、首が真っ直ぐのままでいられるか認識しておく。
プロのように可動域がないので、回転の推進力には欠けますが…。
で、、、冒頭の質問の答えは、
「顔を残さない」です。
「残そうとせずに、すばやく戻す」です。
残すことよりも、戻すことの方が大事なのです。
理由は簡単です。
回転のモーメントに対し、反対だから。
顔を残すと、回転方向の反対にモーメントが働き、回転を邪魔するからです。
力学で考えれば、しっくりいきます。
ただし、正面に顔は向けます。
自分の正面がどこなのかは把握しておかないといけません。
正面を見たあと、すぐ次の回転のために首を戻します。
正面は見るけど、残すほど見続けない、です。
参考図書:『新・バレエ上達練習法』 有限会社アジア・インターネット・サービス発行