ロシアの国立バレエ学校では月曜日から土曜日まで週6日クラシック・レッスンをします。
内容は、3日間単位で同じレッスン。
毎日違う訳ではないのです。
では、週6日生徒全員が通うわけではない日本で、しかも大人から始めた生徒さんの場合は、どのようなレッスンをすればよいでしょうか?
もちろん、答えはひとつではないですね。
バレエを習う目的によってかなり異なって来るでしょうから。
私が主催するスタジオでは、
月単位で同じ内容のレッスンが行われています。
が、第一週だけ生徒さんの様子がちょっと異なります。
「第1週のレッスンは外せない!」
生徒さんの多くはこうおっしゃいます。
実際、人数も第1週が多めです。
最初は、私自身なぜそういう傾向になるのか分かりませんでした。
でも、これには明確な理由がありました。
大人クラスは曜日によって、レベル分けがされています。
月曜は初中級
水曜は初心者
木曜は初級
金曜は基礎
土曜は初級
日曜は初中級
週6日いらっしゃる方は稀で、特定の曜日しか来られないという方が多いです。
ですので、
どの曜日も週1回しか受けられない方を対象にレッスンを構成しています。
そのため、
月4回のペースでレッスンを行う方を対象にしたカリキュラムとなっています。
ワガノワメソッドで教えるロシアのバレエ学校の3日間連続に習って、
月に4回、同じ内容でレッスンするカリキュラムにしてあります。
そのカリキュラムを共有している教師は各週で下記のような段階を経る指導をします。
- 第1週は動きをデモンストレーションを交えて説明し、
- 第2週は動かし方の指示をし、
- 第3週は動かし方が正確に理解されているかをチェックし、
- 第4週で動きの完成を目指します。
このように週ごとに指導ポイントを変えることで、上達を実感しやすい内容になっています。
マンネリも避けられます。
もし第1週を休んだら振りが入らない。
なので、
「第1週のレッスンは外せない! 」
第1週を逃したら、どんな動きをしたか把握できない。
その結果、上記の段階を登れなくなってしまう、ということだそうです。
教師としてはとてもうれしい生徒さん達の反応です。
毎回ダラダラとレッスンが進むことはありません。
月ごとにテーマ作品があり、
週ごとに指導のテーマがあり、
それに合わせて生徒さんが自分の実力を高めていく。
週一回の生徒さんでも上達を実感できる循環が出来ています。
私がこのカリキュラムで気に入っているのは、この上達パターンが仕組み化されているということ。
教師個人の熱意や指導力に依存するのではなくて、上記のような仕組みがベースにあって、その上で各先生が指導力を発揮する。
だから、生徒さんが
「第1週のレッスンは外せない!」
と前向きにレッスンに臨んで頂けると、苦労してカリキュラムを作った甲斐があったと教師冥利に尽きます。