つい最近、私のクラスを受講し始めた大人の生徒さんがいらっしゃいます。
「以前通ってた教室では痛みが出ることが多くて。。。」
「もしかして無理にターンアウトをさせられていませんでしたか?」
と、お聞きすると
「ええ、その通りです」
という、返事が返ってきました。
ターンアウトは、バレエの教科書には必ず「するように!」と書いてあります。
大人リーナもこれに従わなくてはならないでしょうか?
ターンアウトの他にも、バレエ教科書には決まり事が多く、それをそのまま大人の生徒さんに伝えると
無理な使い方になることが多くあります。
教科書が意図していることとは違うだろうに…と思うことがあるのです。
例えば、バットマン・タンデュで脚を出すポジション。
ロシア派の教科書には
5番ポジションから前後に出す動脚のつま先は、軸脚かかとの延長線上に置く
と書かれています。教授法を師事している先生から上記のように教わりました。
足首が充分に伸びる人と、足首が伸びずフレックス気味になってしまう人では、
明らかにライン(股関節の内転角)が変わってきます。
イラストで説明します。
上の表が見にくい方はこちらを試してみてください。
- Aの脚はまっすぐなバレエ向きの脚
- Bの脚は足首フレックス気味でバレエ向きとは言えない脚
- Bの脚を持つ人がAの人と同じラインに動脚を出そうとするとクロスしてしまう。
- Aの人と同じ使い方をするには工夫が必要=太ももを基準にして出す=C
教科書に書かれている「軸脚かかとの延長線上」は、大人リーナ向けに改訳する必要があります。
バレエ向きな身体を持った人向けに書かれた教科書をそのまま大人リーナに指導することは出来ないケースの一つです。
教科書は誰向けに書かれているのか?
ということを、教師は理解する必要がありますね。
前提条件を満たさない大人リーナに教科書の指導をしても
良い結果は生まれないでしょう。
そもそも、教科書を改訳するには、教科書をしっかり習得している必要があります。
習得しているから改訳が可能です。
型を破れば型破り。
そうでなければ、型なし(デタラメ)です。
大人の生徒さんは、この辺を見極める必要があります。
簡単ではありませんね。
分かります。
そのために必要な情報をこのブログで発信していきたいと思います。
【参考レッスン】
大人向けに改訳後のレッスンをオンラインで体験してみたい方はこちら。