
ワガノワ・バレエ・アカデミーを卒業なさったロシア出身の、
ワガノワ・バレエ・アカデミー教師全課程資格保有者の先生から、
バレエ教師のあるべき姿についてお話を伺いました。
それは、
「バレエ教師の役目」
についてのお話です。
ワガノワのバレエ教師の役目は、
ワガノワ・メソッドを習得して、生徒に伝えること。
バレエの動きを、コンビネーションを通して、
できるだけ効果的に、そして発展的に教えること。
教師の仕事は、「コンビネーションを作ること」
動きの質が明確に分かるようにするコンビネーションを作ることが、
教師の仕事。
バレエ学校の教師と、バレエ団の教師は、役割が違う。
バレエ学校の教師は、バレエの 「動きの法則」 を、生徒に伝えるのが仕事。
バレエ団の教師は、ダンサーの身体を温めるのが仕事。
ダンサーが、バレエを教えるとき、
彼らは、「自分の感性や感覚」 を伝える。
例えば、ピルエットのとき、
ダンサー1は、「首を速く回すように!」 と教える。
ダンサー2は、「腕を速く使うように!」 と教える。
ダンサー3は、「もっと上に引き上げるように!」 と教える。
だが、これらはダンサー各々の 「個人的な感覚」 を伝えているに過ぎない。
ピルエットならば、バレエ学校の教師は、生徒に 「回転の法則」 を教えなくてはならない。
決して、感性や感覚を伝えてはならない。
バレエの 「動きの法則」 に基づいて、全ての動きが出来るように教えなくてはならない。
全ての動きを法則通りに行わせるのが、教師の役目。
年齢が上がるにつれて、コンビネーションを複雑にし、
動きの応用を教えなくてはならない。
いかがでしょうか?
「動きの法則」 に従って、教えなくてはならない、というお話。
ワガノワ・バレエ・アカデミーの先生たちは、
「動きの法則」 に従って、生徒たちを教えているということです。
ですので、常にダンサーたちのレベルを一定以上に保てるのですね。
日本には、メソッドは違っても、「動きの法則」 に従ってバレエを指導している先生が
どれほどいらっしゃるでしょう?
たくさんいらっしゃると良いのですが…。
考えさせられますね。
「動きの法則」 には、
回転の法則
移動の法則
跳躍の法則
などがあります。
詳しい説明は別の機会に…。
参考図書