バレエ教授法では、学年に応じて言葉のかけ方を変えていくことをご存知でしょうか?
教師向けのバレエ教授法の講義では、ステップについて以下のように学びます。
- 動きの説明
- 目的
- 発展形
- 音の取り方
- 行い方
- 法則
- 課題
- よく起こる間違い
行い方が学年によって変化します。
そして言葉の数も変化します。
例えば、ロシア・メソッド1年生の「タン・ソテの行い方」は、
●ジャンプの手前では、
①ドゥミ・プリエのかかとで床を押す
②ドゥミ・プリエで上体を前かがみにさせない
●ジャンプでは、
①空中では膝、つま先を伸ばす
②つま先は跳んでいる最中はかかとに向かって伸ばす
③空中で脚の付け根を伸ばす
●着地では、
①つま先を通って着地する
②外に開いたポジションに着地する
③居心地の良いドゥミ・プリエに着地する
1年生には、この行い方を丁寧に指導します。
ですので、文章で教えます。
ジャンプを行う前に、法則・行い方・課題をしっかり教えます。
ジャンプを行っている最中は指導をしません。
1年生は、動いている最中に指導を聞く余裕がありません。
高学年になると、ジャンプの法則・行い方・課題はもう頭に入っているので、
いちいち説明はしません。
新しい課題があれば、丁寧に説明しますが、基本的にステップの提示をするだけです。
ジャンプの前のプリエで、「かかと!」
ジャンプの最中に、「伸ばす!」
着地では、「膝外(ひざそと)!」
このようにひと言で指導します。
動いている最中に生徒が考えられる時間はとても短いのです。
ですので、文章で指導していたら文章を言い切る前に動きが終ってしまいます。
このうように、
動きを初めて学ぶ低学年の生徒には「文章」で、
動きに慣れている高学年の生徒には「ひと言」で指導します。
教授法の存在意義。
それは、教師と生徒がバレエ言語を共有することです。
教師が
「かかと!」
と言えば、それが何を意味しているかを生徒が判断できるようにするためです。
教師は、生徒のレベルに合わせて指導の言葉を変化させていきます。
この複数年に渡る文脈を見ずに講習会やYouTubeなどで断片を切り取って分かった気になってしまうと、本来の教授法との「誤差」が大きくなります。
それは低い指導力として現れます。
上達が遅くなるのです。
結局、生徒さんにしわ寄せが来ることになります。
本来のバレエ教授法をもとに指導がなされるのが当たり前の日が来ることを願わずにはいられません。








