
ルルヴェの動きを行う時、あなたはどこに注目しているでしょうか?
まずは、ルルヴェの意味から。
意味、ご存知ですか?
「持ち上げる」
です。
何かを上に上げると言うことですね。
通常は、足がア・テールからドゥミ・ポアントやポアントに上げることを、ルルヴェと言いますね。
このルルヴェは動きの名称ですが、厳密にどこが動いているのでしょうか?
それは、足です。
足だけが動いています。
その足を動かすために、脚と足の筋肉を使います。
この動きのために、上半身は、参加しません。
上半身は、ア・テールだろうが、ドゥミ・ポアントだろうが、ポアントだろうが、何も変化しません。
ただ、足と脚の上に乗っているだけです。
ここからが本題です。
脚がターンアウトに180度開いている人と、そうでない人の1番ポジションでのルルヴェをイメージしてみましょう。
180度脚が開いている場合の重心は、ルルヴェによってかかと側からつま先側に移動します。
脚と足は横方向にラインを移動させます。
180度開いていない場合の重心は、180度開いている場合と同様、かかと側からつま先側に移動します。
問題は、脚と足の移動方向です。
斜め前に移動します。
180度開いている場合を (1)、開いていない場合を (2) としましょう。
(1)の場合、上半身の移動は上下運動だけです。
(2)の場合は、上半身の移動は上下運動に、前後運動が加わります。
(1) はエレベーター・ルルヴェ、(2) はエスカレーター・ルルヴェです。
ほとんどの教師は、ルルヴェの際、教科書通り 「上に立って!」 と言うでしょう。
ですが、これは180度開いた人の場合にのみ適用できる指導です。
180度開いた人を指導する場合は、正しい指導となります。
そうでない場合は、斜め上に向かって立ちに行かなくてはなりません。
「真上に立ってはいけない」 のです。
戻るときは斜め下に向かって。
まるでエスカレーターですね。
180度開いていない人は、ぜひエスカレーターのイメージでルルヴェをなさってください。
ただし、エスカレーター・ルルヴェでの上半身の移動には、エレベーター・ルルヴェよりも強い意識と筋力が要求されます。
当たり前ですね、移動の方向が二つですから。
この筋力がなくて、お尻を出したまま、上半身だけが前に行き、下肢を置いてきぼりにする傾向があります。
このルルヴェの仕方だと、まず間違いなく「カマ足」になります。
そして骨盤の水平を保てないので、バランスがとても悪いです。
カマ足の状態でルルヴェをすると捻挫しやすくなるので、要注意です。
コツは、
前に移動するときは骨盤から、後ろに移動するときは肩から
これを意識すれば上手にルルヴェできるようになります。
いずれにしても、開いたほうが楽、、、と言うお話です。残念ではありますが。