
バレエ教授法では、
ターンアウトの仕方という課題が存在しません。
なぜなら、
この問いに答える前に、
ターンアウトは、外に向けるという意味でしたね?
では、何を外へ向けるのでしょうか?
脚ということになります。
こう書くと、
脚だけ回す
と勘違いされそう。
バレエ教授法では、脚だけを回すという課題がありません。
何かとセットじゃないと教授法的ではないのです。
つまり、脚だけ回そうとするのは教授法的ではないのです。
その何かは、上体の立て方。
「ターンアウトで上体?」
と思った方は、バレエ教授法が抜けた指導を受けている可能性が高いです。
さぁ、上体の立て方について説明しましょう。
1年生(10歳前後)で学ぶ「上体の立て方」は下記の通りです。
- 足はそんなに開かない1番
- 両手バーに置く
- バーに寄りかからない
- バーがなくてもまっすぐ立てるか確認する
- かかとの意識をしっかり持つ
- お尻は中に入れ込み、下から押し上げられるように保つ
- おヘソを上に突き上げて中に入れ込む
- 足裏3点で均等に立つ
- 5本の趾はすべて床につける
- 脚の付け根の前の靭帯を伸ばす
- 肩甲骨を下げる
- 頚椎を伸ばす
- 首と顎の角度は90°を保つ
- まぶたを上げる
- 正面を見る
- 脚の内側の筋肉を回す(少しドゥミ・プリエして手で内ももを前に回して膝を伸ばす)
さて、ここで出てくる脚に関係する動かし方は16項目中6個です。
1.足はそんなに開かない1番
5.かかとの意識をしっかり持つ
8.足裏3点で均等に立つ
9.5本の趾はすべて床につける
10.脚の付け根の前の靭帯を伸ばす
16.脚の内側の筋肉を回す(少しドゥミ・プリエして手で内ももを前に回して膝を伸ばす)
たったの6個です。
その他の10個が上体に関する動かし方です。
上体と脚がセットじゃないと、動きにならない。
そして、上体の方が大事なんです。
上体ができて、次に脚。
脚だけにフォーカスすることはありません。
初日のレッスンから半年かけて、完璧に開いた1番に持っていきます。
上体も脚も弱い1年生には半年間必要なわけです。
その半年の間、教師は徹底的に生徒の身体に触り、間違った行い方を正していきます。
教授法的に何が正しくて何が間違っているか熟知した教師が触る。
ここが一番大事ですね。
上記の16項目中、ターンアウトのために特に大事なのは
10.脚の付け根の前の靭帯を伸ばす
16.脚の内側の筋肉を回す(少しドゥミ・プリエして手で内ももを前に回して膝を伸ばす)
です。
脚の前側の靭帯を伸ばすと、お尻の下にくぼみができます。
脚の内側の筋肉を回すとお尻の間は閉まります。
お尻の下のくぼみ と お尻の間の閉まり
これが大事。
この2つを意識するだけでもターンアウトが容易になります。
筋肉の働きによって脚が開くのです。
あと、忘れてはならないことは
絶対に出っ尻にしない。
出っ尻にすると脚が内側に回ります。
反り腰にすると出っ尻になります。
肩甲骨を下げて、腰を平らにし、脚の付け根前側の靭帯を伸ばし、お尻を閉める(お尻の間にコインを挟むように)。
この上体を作り出したら、脚は開きます。
さて、ここで上体に立ち戻りましょう。
脚が外に開くと、腰が安定します。
そう、ターンアウトすると上体が安定するのです。
ターンアウトと上体がセットじゃないと意味がないのは、このためです。
ターンアウトだけでも不十分だし、上体だけでも不十分。
お互い持ちつ持たれつの関係なのです。
ひょっとして、「ターンアウトだけ改善したい」
と思っていませんでしたか?
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