昨年の年末にコンクールに出場する中学生のヴァリエーションを指導をする機会がありました。
自分が通うスタジオの指導では足りないと感じたのか、私の指導を仰いできたのです。
その生徒の動きには足りないものがあると感じました。
その中から3つご紹介します。
最初にお断りしておくと、足りないのは生徒のせいではありませんでした。
それを踏まえて書かせていただきます。
まず、役の解釈が足りませんでした。
自分が踊る役柄が、庶民なのか、農民(ペザント)なのか、上流階級(貴族、王族)なのか、職業は何なのか、国はどこなのかなどの情報が必要です。
まずこの解釈を教えてもらってなかったとのこと。
役柄によって、上体の使い方がまるで違います。
上流階級には上品な動かし方があるし、ペザントにはペザントに合った動きというものがあります。
また、国によっても上体と腕の使い方は相当違います。
そこが抜けていました。
次に、正しいステップを知らなかった。
シソンヌなのか、グリッセなのか。
シソンヌなら、必ず両足踏み込みでないと行けません。
グリッセからの動きなら、軸足のみの踏み込みです。
それも教わっていなかった。
また、プリエから動くのか、トゥに乗ったまま動くのか。
そこにも教授法的な考え方がありますが、そこも抜けていた。
これは大きな問題です。
生徒にヴァリエーションを踊る実力があるかないか、の以前に、
教師にヴァリエーションを指導する知識がない!!!
教師に知識がなくて、生徒が正しく踊れなかったら、誰が責任を取るのでしょうか?
バレエ教授法修得を謳っていてこれでは、目も当てられませんね。
「練習不足」や「努力不足」と言えば、もっともらしく生徒のせいにすることができます。
教師の力不足を補うほど努力を重ねるのは、不可能ではないかも知れません。でも、怪我のリスクが高まります。
生徒さんや保護者の方は自衛が必要です。
今の日本のバレエ教育は、まだそう言う段階です。
自衛する目を養っていただくためにも、このブログを読んでいただけたらと思います。
さて、先ほどの彼女には少ない指導時間しかありませんでしたので、上体の動きを少し変化させる程度に留めました。
彼女がそれを習得出来るのを見れたのは救いでした。
日本にはコンクールがたくさんあります。
生徒をコンクールに出そうとする教師もたくさんいます。
ですが、教師にそもそもの指導力がなければ、生徒が開花するかどうかは運次第。
あるいは、独学力次第です。
独学なら教師はいらないですね。
そんな状況から一刻も早く抜け出すために、バレエ教授法がバレエ教師の中に普及することを切に祈ります。








