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バレエ教師が曲にカウントを乗せていいの?

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ロシアバレエメソッドでは、音の取り方が明確に示されています。

 

その音の取り方は絶対です。

 

バレエの法則に従ったものですので、

 

個人的なフィーリングや好みで音を取ることは許されません。

 

音を重視しないバレエ教師がいるという話を聞いたりすると、がっかりします。

 

 

ロシアの国立バレエアカデミーには専属のピアニストがいます。

 

そのピアニストたちは、バレエピアニストとして専門的に学んでいます。

 

奏でる曲の拍子、テンポ、リズム、小節数などは提示されたバレエのステップに適しているものを選んでくれます。

 

なので、教師が音に対してなにか要求することはめったにありません。

 

要求するとしたらテンポを速くしてとか、遅くしてとか、そのぐらいです。

 

 

したがって、バレエ教師が音に合わせてカウントを取るなんてことは滅多にありません。

 

音に合わせてカウントを取ったらどうなるでしょう?

 

まず、ピアニストに失礼ですね。

 

その演奏では不十分、と言っているのと同じですから。

 

生徒も音を聞き取りにくくなるので、バレエ教育上良いことは何もないです。

 

ピアニストじゃなくてCDやアプリからの音でも、カウントを入れてしまうと生徒さんには聞きづらくなります。

 

生徒さんにわざわざノイズを被せて聞かせているのと同じ状況になってしまいますから。

 

教師によっては、カウントを上手に取らせるために音の上に声を乗せてカウントを取ることがありますが、却って良くない結果になります。

 

そもそもなぜ教師がカウントを被せたくなってしまうのか?

 

それは音の取り方を指導できていないからです。

 

冒頭で述べたとおり、音の取り方はロシアバレエ教授法では厳密に決められています。

 

そのルールを生徒に教えるのがバレエ教師の役目です。

 

この指導をしていないければ正確に音を取れない生徒が出てくるのは仕方ないことです。

 

生徒は個人的なフィーリングや好みで音を取るしかありません。

 

あるいは教師の取り方を見様見真似で学ぼうとするかも知れません。

 

果たしてそれで厳密に規定されたルールを習得できるでしょうか?

 

出来ませんね。

 

その結果が不正確な音の取り方となって目の前に現れているのです。

 

つまり、教師に音の取り方を指導する能力がなかったことの現れです。

 

それを棚に上げて、生徒の取り方が間違っている。だから、自分がカウントを曲に被せることで直させようとしている。

 

それが本当のところではないでしょうか?

 

もちろん、正しいカウントの取り方を教えたい気持ちはわかります。

 

でも、そのやり方が間違っているということです。

 

もし癖のあるカウントのとり方をする教師だったら生徒は本当に気の毒です。

 

教師の熱意に反して生徒の学びを邪魔しているのと同じですから。

 

 

音があるのだから、カウントを上乗せするのはやめましょう。

 

まず生徒さんに音の取り方のルールを説明する。

 

ルールを知らないならまずは教師がバレエ教授法を学びましょう(本当はこれが先)。

 

その上で生徒さんに音を聞く習慣をつけてもらわないと、いつまで経っても教師はカウントを出し続けることになります。

 

それは本来バレエ教師の仕事ではありません。

 

ご苦労さまです。

 

ちなみに、ここで言うバレエ教授法とは私がディプロマを取得したロシアバレエ教授法のことです。

 

他のメソッドでは音の取り方の位置づけは違ってくるかも知れません。

 

ただし、

“Classical Ballet Technique”, Gretchen Ward Warren 著, Univ Pr of Florida, p75. ※

には、「音楽が流れている中での指示の出し方」として、下記の記述があります(訳は当方によるもの)。

 

音楽が流れている中での指示の出し方
できるだけ音楽が流れているときに大声で注意することは避けたい。教師の声で生徒たちが限界までやる気を出しやすくなることは確かだが、逆に、いつも教師の声を聞いていたら、生徒たちは音楽を聞けない。言葉で生徒の間違いを直すなら、動いているときに音楽の上から大声で注意するより、エクササイズが終わってからの方がずっと効果的である。音楽が原因で生徒は注意点を正確に聞き取りにくくなるかもしれないし、実際、まったく聞き取れないかもしれない。また時には、エクササイズの最中にしていることをその場で直すことも生徒たちにとっては難しいかもしれない。間の悪い時に言葉で指示を出されるとダンサーはタイミングをくるわされ、それが怪我の原因にもなる。

 

この本は西側のバレエメソッドについて書かれたものです(ロシアメソッドについても触れられています)。

 

音楽指導に関しては西側でもロシアバレエ教授法と同様と言えます。

 

すると、レッスンの中で音楽にカウントを被せてしまう教師というのは、どちらにも属さない他のメソッド、もしかすると創作バレエを指導しているのかも知れません。

 

今回の内容を踏まえてあなたの先生はどう指導しているか観察なさってみてください。

 

もしあなたが教師なら、説明しても音を取れない生徒さんには、最初の動きだけカウントを取ってあげてください。

 

それ以上はやりすぎです。

 

 

バレエ教授法の知識を持つと色々なことが見えてくるようになります。

 

参考図書

ちなみに、私はこの本を10冊購入してボロボロになるまで使い倒しました。ロシアバレエ教授法を学ぶ以前のことです。

 

 


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