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バレエの踊り心は、脚の指導だけでは生まれない

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私が大人リーナの生徒さんたちに行っているレッスンでは、必ず踊り心が入ったアンシェヌマンを提示します。

 

例えば、アンシェヌマンの最後に

 

「歩いてポーズを取る」

「手をen dedans-en dehorsで動かす」

「低い第1アラベスクのポーズで終わる」

「顎とともに手でポースを取る」

 

などなど。

 

この踊り心は脚ではなく、上体で表すものです。

 

脚のことだけ考えていたらできない。できな〜い!

 

 

ほとんどのバレエ教室やスポーツジムのバレエクラスでは、脚中心の指導がされていると聞きます。

 

でも発表会になると教師はこう言います。

 

「お客さんはあなたの脚なんか見てないのよ。だから上体で踊って!」

 

上体で踊ることを指導されたことないのに、いきなりそんな事言われたら、

 

大人リーナたちはどうすればいいのでしょうか?

 

「だったら、脚だけじゃなく上体の指導もしてよ!」

 

と、言いたくなりますよね(笑)。

 

 

ロシア・バレエ教授法では、学年ごとの課題が明確に違います。

 

1年生:脚を動かしているときは脚だけ動かし、手を動かしているときは手だけ動かす。

2年生:脚と手を一緒に動かし、上体では首のニュアンスを加えていく。

3年生:顎の使い方、肩甲骨から動かすニュアンスを学ぶ。

4年生:頭を大きく使うニュアンスを学ぶ。

 

このように学年ごとに上体の学びの課題が違います。

 

脚は、1年生だけに出てくる課題です。

 

脚の指導は、指導の中では一番簡単な部類です。

 

脚の指導だけなら、バレエを少し踊ったことのある人なら誰でもできるということです。

 

 

バレエは舞台芸術です。

 

バレエが芸術である所以は、役を表現するまさにその部分にある。

 

ならばそこを表現するように指導するのがバレエ教師の仕事となります。

 

ロシアでは、その表現力を習得する課題が、学年ごとに決められているわけです。

 

 

私が指導する2,3年生のレッスンでは上体のニュアンスを含んだアンシェヌマンを提示しています。

 

生徒の皆さんは

 

「まさしく脳トレ」

 

とおっしゃっています。

 

脚単独なら動く、手単独でも動く、上体単独でも動く。

 

でもそれらが合わさると途端に動かなくなる。

 

脳トレですね。

 

コーディネーション能力を鍛えているとも言えますね。

 

 

脚だけで踊っていませんか?

 

舞台の動かし方と日々のレッスンは違うって思っていませんか?

 

日々のレッスンでできないものが舞台でできるようになるでしょうか。

 

ロシア・バレエメソッドは舞台の動きを頂点に置き、そこから逆算して各学年に必要な課題を明示しています。

 

舞台の動かし方のために教授法が存在しているわけです。

 

脚だけ動かす指導は、1年生の課題です。

 

1年生は舞台に出ません。

 

1年生の課題である脚だけ動かすという指導しかしていないのに

 

発表会になった途端に上体を動かせって、矛盾していませんか?

 

その矛盾が発表会前の長いリハーサルや追い込みのレッスンとなって現れます。

 

その矛盾にぜひ気づいてください。

 

そもそも発表会とは、普段のレッスンで習得した踊りを発表する場です。

 

普段習っていないことを無理やり見せる場ではありません。

 

無理がたたって怪我を誘発しますので要注意です。

 

大人リーナは自分の身を自分で守るしかありません。もちろん子どもも。

 

そうした矛盾を含んだレッスンを提示されていないか今一度チェックしてほしいと思います。

 

 

結論、脚だけのレッスンでは踊り心を表現することはできない。

 

 


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