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三つのバレエ・メソッドを混ぜて学んだ生徒が得たものは?

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ロシアバレエクラシックレッスン基本プログラムのディプロマを頂いた今でも

 

「ロシアバレエではこうします」

 

という言葉を発することに不安があります。

 

知識が増えれば増えるほど、その言葉の重みを感じるようになったからです。

 

言葉の重みに気づかずに発言するとどのような影響があるでしょうか?

 

ネット環境がそうさせるのか、

 

「ワガノワではこうします」

 

と、安易に発信する人が増えているように感じます。

 

自分が見聞きしたもの、それが答えと認識してのことと思います。

 

私にもそういう時期があったので、気持ちは良く分かります。

 

でも、8学年分のプログラムを学び終えて、私がすべての答えを得られたのかというと、そうではありませんでした。

 

むしろ、知識が充分でないと感じます。

 

そのことがはっきり感じられるようになりました。

 

ですから、簡単に発言することには躊躇します。

 

自分の不完全な発言が受け手にどのような影響を与えるのかということを恐れるようになってきたからです。

 

その部分では私はとても慎重だと思います。

 

 

ここで、学びが断片的だと陥ってしまうケースについて考えてみましょう。

 

「上半身と腕はワガノワで、脚は解剖学的に使う」

 

という指導をしているバレエ教師がいます。

 

体を半分に分けて、上と下で違う動かし方を推奨しています。

 

部分に分けてとらえるというのは科学的な視点です。

 

しかし、ロシアバレエメソッドは科学ではありません。

 

バレエに限らず、芸術も科学ではありません。

 

むしろ芸術と科学とは相容れない部分が多いです。少なくとも現時点では。

 

確かに、部分的に理解するには科学的な視点が役に立つことはあります。

 

でも、科学的に理解したからと言って芸術性が高まるわけではありません。

 

つまり、両者は別物ということです。

 

ですので、メソッドの一部分を切り取って解剖学とマッチングさせるという考え方は、新しい解釈を与えているだけで、メソッドそのものを理解していることにはなりません。

 

それをメソッドの理解が深まったと勘違いして情報発信してしまう。

 

こういうケースの問題点はどこにあるでしょうか?

 

そもそもの話、部分的に理解してもメソッド本来の意味を見出すことはできません。

 

ロシアバレエ・メソッドはシステムです。

 

その一部を取り上げて別な解釈を加えるという行為は、システムからの逸脱です。

 

分かりやすさへの逃避とも言えます。

 

 

20年以上前の話をします。

 

某国ナショナル・バレエ学校を視察訪問したときのエピソードです。

 

管理職の方に学校を案内していただきながらこのような質問をしました。

 

「こちらではどのメソッドで教えているのですか?」

 

答えは、

 

「ワガノワ、チェケッティ、フランス・メソッドの良いところのみを集めて教えています」

 

その当時は、それは素晴らしい、ぐらいに思っていました。

 

随分経って、その学校の卒業生に聞いたところ

 

「メソッドの良いところと解剖学を掛け合わせて、ナショナル・バレエ学校独自のメソッドとして確立しているんです」

 

という答えをいただきました。

 

プロのダンサーを排出するためのスタイルと考えればうなずける部分はあります。

 

前提として、プロを排出するために編み出した策だということ、そしてそれを遂行できる頭の良い生徒たちが集まっていること。

 

研究に研究を重ねて独自のメソッドに作り上げたのはすばらしいですね。

 

しかし、あまり安易に考えないほうがいいですね。

 

なぜなら、メソッドを混ぜることは最新の注意が必要だからです。

 

ナショナル・バレエ学校では成功したように思える、独自メソッド。

 

この独自メソッドを、メソッドに精通していない教師が作るとなるとどうなるでしょう?

 

「上半身はワガノワ、下半身は解剖学」と、考えるかもしれません。

 

研究せずに、短絡的に考えそうです。

 

そして、このような内容の発信は後を絶ちません。

 

最近の例を挙げるとすると、コンクールです。

 

毎週のように日本のどこかで開催されているバレエコンクールで、メソッドを特定しているものがいくつあるでしょうか?

 

メソッドが変われば、ポジションやポーズの定義が変わります。

 

ロシアメソッドで正しい動かし方が、チェケッティメソッドでは間違いになる、とか。

 

その逆もありえます。

 

オペラ座メソッドで正しいものが、ロシアメソッドでは間違いになる、とか。

 

ものさしの目盛りが違うのにゴチャ混ぜにして比べて何がわかるのでしょうか?

 

そもそも審査する側が少なくとも一つのものさし(ディプロマ)を持っているのでしょうか?

 

情報発信者はメソッドのつまみ食いをし、それであたかもすべてを理解したかのように言い切ってしまう。

 

審査員はメソッドのつまみ食いをし、それでどんなメソッドの生徒でも審査できるかのように点数をつけてしまう。

 

そこに違和感を感じないのかも知れません。

 

その乱暴さに気づいていないのかも知れません。

 

 

メソッドを少しかじっただけでは見えない世界があります。

 

それはバレエに限らないと思います。

 

そして、その見えない世界こそが大事なんです。

 

行間が大事とも言えます。

 

物より心が大事とも言えます。

 

分かりやすいことより分かりにくいことが大事とも言えます。

 

ところが、今は誰もが情報発信できる世界です。

 

発信する側はその便利さに便乗して見えた部分だけで安易に発信していないか慎重になるべきです。

 

なぜなら、受信する側(おそらく多くは生徒さん)に不利益を与えることになっている可能性があるからです。

 

与えているかどうかは見えません。見えないからないのではなくて、見えないけどあるのです。

 

言い換えると、(意に反して)生徒さんの上達を邪魔している可能性があるということです。

 

善意からの発信であってもそれは変わりません。

 

どんなに愛を込めたメッセージであってもそれは変わりません。

 

こんなご時世ですので、受信する側は真偽を見分けられる目を持たないと、(意に反して)不利益を被ることになります。

 

上達を邪魔されるということです。

 

どんな有名人・実績のある人・スーパースターからの発信であってもそれは変わりません。

 

要するに間違いなく玉石混淆なんです。

 

そんな日本のバレエ界を何とかしたい。

 

そんな想いに駆られない日はありません。

 

その中にあって今の私にできることは、正しいロシアバレエ・メソッドを伝えることです。

 

ロシアバレエ・メソッドという一つのものさしを日本語で記述することです。

 

それが私の今年の目標です。

 

そのためにできることをしていくつもりです。

 

 


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