
ロシア・バレエ教授法を学んだとか、
ワガノワ・メソッドを学んだとか、
いろいろ発信しているバレエ教師がたくさんいらっしゃいます。
その学びは誰から授かったのでしょうか?
この「誰から」、という部分は実はすご〜く大事なんです。
私は、VIACHESLAV ILYIN (ヴャチェスラフ・イリイン=愛称はスラーヴァ)先生からロシア・バレエ教授法を学びました。
スラーヴァ先生は、ワガノワ・バレエ・アカデミーを卒業され、ムソルグスキー記念マールイ・オペラ・バレエ劇場(現ミハイロフスキーバレエ団)でプリンシパルとして活躍され、ワガノワ・バレエ・アカデミーでロシア・バレエ教授法を学ばれました。
そのスラーヴァ先生に学べる機会を頂けたことは幸運としか言いようがありません。
関東にお住まいのバレエ教師の方はスラーヴァ先生の教授法クラスを受講するべきだと強く思います。
私はスラーヴァ先生から座学の教授法と、実技の教授法両方を学びました。
実技では、頭で理解していても体はそのとおりに動かないこと、そして間違った動きを修正していただけたことで何が正しい動きかということを実感できました。
この修正はとても大事で、座学だけだと習得できなかっただろうと思います。
ネット上の情報を拾い集めるのは、まあ座学のようなもの。
それで分かったような気になっているとしたら勘違いも甚だしいです。
と言っても、当人はそのことを自覚できませんので勘違いバレエ教師はますます世に蔓延ります。
生徒のみなさんは、ご自身が通っているスタジオのバレエ教師が誰から教授法を学んだか、ご存知でしょうか?
そもそも教授法を学んでいない教師は「バレエ教師」とは本来言えない立場なので、この時点で100人中85人は対象外なんですけどね。
私は、スラーヴァ先生の下の代になります。スラーヴァ先生にも先生がいらしたので、その先生たち(スラーヴァ先生は4人の教師から教授法を学ばれています)からすると孫の代になるわけです。
代を重ねるごとにその情報は劣化するのが世の常ですからね。
思い違いや創作が追加されたりもするので、情報源から遠ざからないことが大事です。
スラーヴァ先生からディプロマを頂いた私、その私からの情報もスラーヴァ先生からすると劣化している可能性があるということです(そうならないようにすごく注意していますが…)
劣化させないために常に勉強しなくてはならないのは勿論です。
ロシア・バレエ・メソッドをワガノワ・バレエ・アカデミーで学んだ教師Aが第一世代。
その教師Aから学んだ教師Bが第二世代。ここから情報の劣化が始まります。
その教師Bから学んだ教師Cが第三世代。
その教師Cから学んだ教師Dが第四世代。
誰が一番メソッドに近いでしょう?
もちろん第一世代の教師Aですね。
私は第二世代の教師Bにあたります。
第二世代(教師B)から学ぶより、第一世代(教師A)から学んだほうがいいに決まっていますね。
そういう意味でもバレエ教師の方は、私が2018年に参加したワガノワ・バレエ教師再教育プログラムには絶対参加されたほうがいいです。
とは言え、いろいろな制約から無理な方がいることは致し方ないでしょうね。
でも学ばないよりはいいので、第二世代(教師B)から学んでもいいと思います。
ところが、第三世代(教師C)ぐらいから怪しくなる、ということは心に留めておいたほうがいいです。
そもそもどの世代であっても何年も指導内容が変わっていなかったら要注意です。
さぁ、生徒のみなさんの教師はどの世代でしょうか?
B? C? D?
この違いは相当大きいのです。
だから、バレエ教師のバッググランドを調べる必要があるのです。
第一世代(教師A)に学べるのは超ラッキー、第二世代(教師B)でもまぁまぁOK 。
そこから先はちょっと怪しくなる。
もしバレエ教師がCなら、その教師が常に教授法の知識をアップデートしているかどうかをチェックしてみてください。
これも自衛のためです。
さて、ここで疑問に思った方はすごい。
なぜ、ワガノワ・バレエ・アカデミーでは教授法の劣化が起きないのか?
それは劣化させないシステムがあるからです。
そのシステムについては別の機会に。
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