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ロマンティックバレエの名作『ジゼル』のシェネは1幕と2幕で違う

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Tours chaînés(トゥール・シェネ)というステップをご存知でしょうか?

 

一般的に Chaînés(シェネ)とだけ呼ばれている回転技です。

 

ロシア・バレエ教授法では2011年度版カリキュラムの第4学年(2017年度版では第3学年)から学びます。

 

Tours chaînés には入り方が2種類あります。

 

この入り方は、単に動きの違いということではなく役の位の違いとも関連しています。

 

これを知らずに踊ると恥をかくことになります。

 

その2つの入り方とは、glissade en tournant と tombé。

 

Glissade en tournant は、柔らかい動きなので女性に向いた動かし方です。

 

そしてこの入り方はクラシックの入り方と言われています。

 

一方 tombé は、加速しながら chaînés に移行できるので男性向きとされています。

 

しかし、女性でもキャラクター性の強い役や、一般庶民の役では tombé から入ることがあります。

 

 

ジゼルの chaînés は1幕と2幕では入り方が違うものがあります。

 

動画で検証してみましょう。

 

1幕は tombé で入っています。

 

2幕は glissade en tournant で入っています。

 

なんと、ジゼルの2幕の登場部分でのスピードが命!のステップでも glissade en tournant で入っています。

 

 

上記の入り方、これは演技法の領域の話です。

 

1幕は農民の役なので、キャラクター性のある動きとして tombé から入りました。

 

2幕は亡霊の役なので、クラシックの動きとして glissade en tournant から入りました。

 

1幕と2幕で対比させるように振り付けられています。

 

亡霊になったジゼルは位が高くなると、スラーヴァ先生から教わりました。

 

その時は、「死ぬだけで位が高くなるのか。でもそれってジゼルだけなのか、他のウィリもそうなのか?」といろいろな考えが浮かびました。

 

そして、ツィスカリーゼ校長の動画を見て、一つの答えを頂いたように感じます。

 

その動画をご覧ください。

 

公爵の身分であるアルブレヒトが帽子を脱いだ、ジゼルの墓前で。

 

そのことによって、ジゼルの位が高くなったのでは?

 

この動画の中でツィスカリーゼ校長が解説している通り、公爵が農民に対して帽子を脱ぐなんてことは、ジゼルの時代では考えられないことだった。

 

アルブレヒトは贖罪の念からそのタブーを破らざるを得なかった。

 

その行為によって、ジゼルは農民から位が上がったのではないだろうか?

 

そのようなことをツラツラ考えるようになりました。

 

この解釈は私の個人的なものなので、実証する術はありません。

 

「『ジゼル』には、ぼんやり見れる場面など一つもありません」とツィスカリーゼ校長は語っています。

 

きっと、こういう含意が随所に散りばめられている作品なんだと思います。

 

ところが、こういったことって学べる機会がないですよね。

 

きっと見逃している人は少なからずいるのだろうと思います。

 

でも、バレエ教師がそれでは困りますね。

 

こういった話は、どなたか詳しい方に聞いてみたいし、それこそロシアに行って演技法を学びたいと強く思います。

 

そして、生徒さんにきちんと伝えていきたい。

 

ジゼルの位がステップによって、どのように表現されるのか。

 

私はこのような考察がとても好きです。

 

バレエには、教授法の上位概念として演技法が存在します。

 

ステップは、役を表現するツールに過ぎません。

 

ステップの入り方で身分の違いを表現するくらいですから。

 

私がレッスンするときは、いつも上位概念の演技法の下にステップを提示します。

 

だから、より良いレッスンをするにはバレエ教授法を学ぶのは当然として、その上位概念である演技法の理解を深めることを心がけています。

 

ところが、最近はバレエを学ぶという意欲が解剖学へ向かう風潮があります。

 

抽象度の階段を降りてしまうんです。

 

その結果、演技法の抜け落ちた薄っぺらいバレエが、まことしやかに教えられてしまう。

 

心苦しい限りです。

 

その先にこれらの答えがあるとは到底思えません。

 

ツィスカリーゼ校長も嘆いていますが、役の解釈が抜け落ちたバージョンが数多く存在します。

 

演技法が抜け落ちたバレエが多く存在しているということです。

 

これらはステップの羅列、テクニックの羅列に過ぎません。

 

仏作って魂入れず。

 

ツィスカリーゼ校長のお嘆きには深く共感できます。

 

今後、私の解釈がどのように変わるのか分かりませんが、演技法を知れば知るほどバレエ作品を鑑賞する楽しみ、踊る楽しみ、教える楽しみが増すことは間違いないと思います。

 

 

話が逸れましたが、今後、ジゼルを鑑賞する際は chaînés の入り方に注目してみてください!

 

これも大人リーナの自衛につなげることができます。

 

レッスンでステップが提示されたとき、演技法との関連が説明されているかどうか観察してみてください。

 

動かし方の次に筋肉や骨の解説しかないとしたら、魂の抜けたバレエ体操になっている可能性が高いです。

 

 


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