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どこまで疲れさせる?

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普通、バレエのレッスンは、1レッスン90分で構成されます。
 
小さい子ども、特に幼稚園生の場合は、その半分の45分程度。
 
学年が上がるにつれて時間を増やし、小学高学年ぐらいで90分レッスンが出来るようにしていきます。
 
大人は問題なく90分レッスンです。
 
海外の国立バレエ学校の時間割を見ると、
 

クラシックとその他の踊りの合間に、一般教科の授業があります。
 
時間割的に、疲労回復を考慮しているようです。
 
「月曜日から土曜日まで、授業はかなり密度の濃い内容になっています。実技の授業は、毎日のクラシック・バレエの基礎レッスン、古典舞踊、マイム、民族舞踊など、高学年になるとデュエット、プラクティカ(バリエーション、アンサンブルなどの練習)、現代舞踊(モダン・ジャズなど)がそれぞれ週2単位(1単位は90分)あります。
(中略)
バレエなどの実技の授業の合間をぬって一般教科の授業があります。その内容は、国語(ロシア語)、数学、理科、化学、物理、歴史、地理、社会、フランス語、解剖学、舞踊史、ピアノと授業は豊富です。」
(『バレエダンサーをめざす人へ』 中川三千代著 健康ジャーナル社 2008年 16pより引用)
※ここで出てくる高学年とは、日本で言う高校生の学年です。
 
 
学年によって異なりますが、高学年の通常レッスンは、一日にクラシック90分と、それ以外の踊り90分で、3時間のレッスンとなっているようです。
(低学年では、それ以外のダンスを毎日行うことはありません)

レッスンの合間に一般教科の授業があるので、身体を休めることが出来ます。
 
生徒たちが疲れないように配慮している事が伺えます。
 
 
さて、日本ではどうでしょうか?
 
学校に通いながら、バレエのレッスンをするとなると、夕方から夜にかけてとなります。
 
平日は90分だと思いますが(思いたいですが…)、土日にまとめてレッスンをするというお教室も少なくないようです。
 
週末の一日に小学生クラスで6時間レッスンをしているところがあると聞いたことがあります。
 
高校生ぐらいの年齢なら6時間レッスンに耐えられるような体力はあるでしょう。
 
ですが、これが小学生なら…。
 
とても体力的についていけるものではありません。
 
仮にその日はついていけたとしても、翌日、翌々日まで疲労が抜けないと思います。
 
 
小学生・中学生の指導では、一日の睡眠で、疲労から回復できるようなレッスン構成に留めるべきです。
 
疲労を溜め込むと、怪我の原因にもなりますし、身長が伸びない原因になるとも言われています。
 
そして何より、疲労により筋肉が素直に反応しませんから、上達の妨げにもなります。
 
これでは逆効果です。
 
土日の長時間レッスンは、避けるべきで、やるとしてもせいぜい3時間までに留めるべきです。
 
その内容は姿勢維持に留め、ジャンプなどの筋肉に負担のかかるものを長時間行うことは避けなくてはいけません。
 
そもそも長時間になるのは、何をどこまで行えば良いかを教師が理解していないからかもしれません。
 
・出来るまで繰り返せばよい。
・やればやる程よい。
 
という思い込みが形になったものが、長時間のレッスンと言えなくはないでしょうか?
 
健康な状態を保ちながら、必要以上に時間をかけることなく上達させることが教師の役目です。
 
上達のために長時間レッスンをするという、矛盾した行為は避けないといけません。
 
 
 
参考図書

 
 
 

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