
ロシア・メソッドでは、年齢に合った指導が徹底されています。
1年生(10歳前後)から8年生(18歳前後)までの課題は、年齢に応じてレベルアップされていくように設計されています。
1年生の正しい姿勢づくりから始まり、最終学年の8年生では、舞台で踊られる全てのステップを身につけます。
1年生から8年生まで、どのように育てるか、カリキュラムが整っています。
指導するテーマが明確で、全ての教師はテーマに合った課題をいつどの時期に与えればよいか、熟知しています。
学ぶステップのレベル分けも明確です。
子どもにどのようなテーマの課題を与えるかは、
前ワガノワ・バレエ・アカデミー校長のアスィルムラートワ先生が、「音楽を理解しないことの次に許せないこと」として、語ってくれています。
「テーマが子どもたちの年齢に合わないのもよくありません。やはり彼らにはまだ理解できないテーマがあると思います。年齢以上のことをさせてはいけません。大きくなったら体を自由に動かしても良いのですが、今の年齢ではクラシックやネオクラシックの踊りに集中したほうが良いと思います。」
(『ワガノワ・バレエ・アカデミー~バレエに選ばれた子どもたちの8年間~』 DVD 新書館 より引用)
ここで言われている「今の年齢」は、10歳から18歳までの年齢を指していると思います。
ワガノワ・バレエ・アカデミーでは、クラシック以外の踊りも、「何年生でこの踊りを学ぶ」と、決められています。
カリキュラムが明確です。
このように明確な指導内容があれば、教師も教えやすいですし、
生徒も実力以上の課題を要求される事がないので、上達しやすいです。
身体の成長に合ったステップを踊るので、怪我もしにくいです。
教師にとっても、生徒にとっても、バレエ教授法の存在が
いかに大事かという事がお分かりいただけると思います。
教授法は、教師と生徒の両者が、ストレスなくコミュニケーションがとれるツールです。
教授法という線引によって、教師は無理難題な要求をすることなく生徒を上達させることが出来るのです。
まさしくこれこそ 「指導」 と呼ぶべきものではないでしょうか?
教授法を上手に使いこなして、ストレスの少ない指導を目指したいところですね。
参考教材