日本人に多く見られる足の形で一番多いのはエジプト型です。
その後にギリシャ型、スクエア型と続きます。
日本人の統計では、エジプト型が7割、ギリシャ型が2割、スクエア型が1割というのが、おおよその割合となっています。※1
【3つの足型】
エジプト型:第1趾が最も長いタイプ
ギリシャ型:第2趾が最も長いタイプ
スクエア型:第1趾と第2趾の長さが同じのタイプ
バレエに適しているのはスクエア型で、ルルヴェに立ったときに、一番安定している形です。
エジプト型もギリシャ型も足の形としてはバレエ向きではありませんが、
ルルヴェでの安定を得ることはできます。
第1趾と第2趾に重心をかける事が出来ればルルヴェが安定します。
足が「逆カマ」になるように形作れば、エジプト型でもギリシャ型でもルルヴェでの安定を作る事ができます。
その安定のためには「逆カマ」の形を維持するための足裏筋肉の強化が必要です。
問題は、複雑なギリシャ型の場合。
単純に趾の長さだけの問題ではなく、第2趾の付け根が一番出っ張っている場合のギリシャ型のルルヴェは
単純に話は進みません。
ルルヴェのときに第2趾の付け根の骨が床に刺さるような形になるので、痛みます。
特徴として、この付け根の部分に「たこ」が出来ます。
第2趾の付け根が出っ張っているギリシャ型は、高いルルヴェは出来ません。
第1趾か第2趾の間をコロコロと行ったり来たりして、常に不安定です。
【4つ目の足型】
私はこの足の形を、イカの形に似ているので「イカ型」あるいは「イカ足」と呼んでいます。
イカ型の人がルルヴェを行う際の注意点は一つです。
低いルルヴェに留め、趾の付け根の広い部分を床に接地させること。
これしかないです。
【教師の足型≠生徒の足型】
プロのダンサーや、バレエを長く踊ってきたバレエ教師は、スクエア型の足を持っている人が多いと思います。
生徒さんはどうでしょう?
全員が教師と同じような足の形を、持っているはずはないですね。
だから、教師は、生徒さんの足の形をしっかり把握した上で、
それぞれの足に合ったルルヴェのやり方を、指導する必要があります。
オープンレッスンの場合は、イカ型の生徒さんも含まれていることを想定する必要があります。
オーディションに合格しやすい、スクエア型を前提にした指導しかしていないとすると、それ以外の足型の生徒さんは、困っているはずです。
「先生に言われていることが、どうしても出来ない…」
と。
足の型に合わないルルヴェのやり方を教えると、疲労骨折をする場合があります。※2
特にイカ型の人がルルヴェを高くすると、疲労骨折しやすくなります。
そうした知識がないまま、指導をすると生徒が怪我をする。
そういうことも踏まえて指導する必要があります。
メソッド的に正しいからそれでいい、ではないのです。
ここでイカ型の人に朗報。
バレエシューズでのルルヴェは大変なイカ型ですが、トゥシューズでは楽に立てます。
立つ際は、ドゥミ・ポアントを通らずにジャンプアップするようにトゥに乗りましょう。
下りるときも、ドゥミ・ポアントを通らずに少し飛び降りるように。
トゥは楽です。
※1 参考資料
※2 参考図書
“A Dancer’s Body: A Medical Perspective on Dance” Joseph S. Huwyler (著), Intl Medical Pub
“A Dancer’s Body: A Medical Perspective on Dance and Dance Training” Joseph S. Huwyler (著), Dance Books Ltd
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