
『第2回ワガノワ・バレエ教師再教育プログラム・プレセミナー(オンライン講座)』(6/10-13開催)を受講しました。
今回はコンビネーションの組み方を教えていただけるというバレエ教師にとっては、とてもありがたいセミナーです。
そこで、嬉しい出来事がありました。
セミナー最終日の13日に参加者が組んだコンビネーションを講評していただけるとのこと。
これは申し込まないわけにはいきません。
1, 2, 3年生のデモンストレーション動画はたくさんあります(笑)
どの学年を見ていただこうか、、、いろいろ考えました。
そのとき、アグリッピナ・ワガノワ先生の言葉が頭をよぎりました。
思うに、アダージョは、舞踊術の特質を十分に表すものではない。アダージョでは、男性舞踊手のサポート、場面の状況の劇的要素や叙情性等々が、女性舞踊手を助け補うからである。今日では、実際、アダージョには多くの絶妙な動きがとり入れられているが、しかしそれらはすべて、かなり男性舞踊手の技能に依存している。だが、ヴァリエーションによって感銘を与えることは別問題である。そこでこそ、舞踊教育が物を言うのである。しかしヴァリエーションだけでなく、ソロでも群舞でも、大多数の踊りは、アレグロを基礎としている。すべてのワルツ、すべてのコーダ---それはアレグロである。
『ワガノワのバレエ・レッスン』29pより
ということで、ワガノワ先生の仰る通り、3年生のアレグロにしました(笑)
デモンストレーターは中尾 茜先生。
当スタジオで配信している予習動画で3年生を担当なさっています。
グリバーノワ先生にじっくり見ていただき、講評していただきました。
ドキドキ。
悪くないでしょう。
ただ、 移動する pas jeté を最初に入れていたのが気になってしまいました。
そうではなくて、 pas jeté はその場の動きを2回行い、それから移動につなげることが望ましいです。
その理由は、5番の脚で立った状態からいきなり移動するというのは、難しいことでありますし、移動のためのきっかけが必要になってくるからです。移動するためのきっかけづくりのために、手前にその場の pas jeté を入れると良いでしょう。
ワガノワ・アカデミーの研修で学んだ pas de basque en tournant をしっかり覚えていたのは非常に素晴らしかったです。行い方も正しかったです。
コンビネーションの最後に pas de chat が入っていました。こちらに関しては、見ていてとても心地よいものであり、とても素晴らしいものでした。
はい、私のコンビネーションにダメ出しをしていただきました。
何ともありがたいお言葉の数々。
そんな簡単に二重丸はいただけないとは思っていましたが。
茜先生の行い方を褒めてくださり、私も鼻高々です(笑)
ここでグリバーノワ先生が仰っしゃられていることは、
「コンビネーションのストーリー」です。
私がコンビネーションを組むとき、一連の流れに対して必ずストーリーを考えます。
実は上記の動画にも、私なりのストーリーがあります。
そして、講評してくださったグリバーノワ先生にもストーリーがあります。
先生のストーリーは、ワガノワメソッドのシステムに基づいています。
当たり前ですね。ワガノワメソッドの最高責任者でいらっしゃいますから。
その最高峰のシステムに基づいて講評をしていただけるなんて、本当にありがたいです。
さまざまなコンビネーションのストーリーの中からどれを優先させるかは、指導の現場で生徒たちの進捗状況を踏まえながら決めていくことになります。
これこそが教師の創作の場であり、それまで培ってきたバレエ教授法の学びが生かされる瞬間です。
教師の経験をただ真似させるだけの能天気なレッスンには存在しない瞬間かと。
教師力が試される瞬間と言ってもいいでしょう。
そのヒントを頂けたことにも感謝です。
いやー、本当にありがたい。
心臓に悪いけど(笑)






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