バレエは古くから数多くの作法や伝統を受け継いできた芸術です。その中でも特にロシアバレエ・メソッドで大切にされているのが「バレエの法則」と呼ばれる一連のルールです。
初めてこの言葉を聞いた方は「バレエのコツ」や「テクニック」のようなものを想像するかもしれません。しかし、バレエの法則はそういった次元を超えた、芸術としてのバレエの品格と美しさを形作るための決まりごとなのです。
まるでパズルのように、法則を理解し、組み合わせることで、ロシアバレエ独特の様式美が完成していくということもできます。
法則を習得することの重要性
ロシアバレエではこれらの法則を重視し、日々レッスンの中で細かく指導しています。単なるコツやテクニックではなく、優雅でしとやかなロシアバレエ様式の核心部分を形作る基本ルールだからです。
確かに最初は法則に則った動作が難しいと感じられるかもしれません。そのため動きを単純化した「コツ」に頼りがちですが、それでは本当の意味での上達は望めません。
また、一見上手に動けたり、高度な技術を難なくこなせるダンサーを見ると、目を奪われることがあるかも知れません。
それはそれで、踊りとして素晴らしいものであるかも知れませんが、そこにバレエの法則がなければ、それは創作ダンスであって、ロシアバレエと呼ぶことはできません。
バレエの法則は一つ一つ言葉を通した概念として理解を深め、しっかりと体に落とし込んでいくことで、はじめて踊りの美しさが完成されていくものです。
ロシアバレエのカリキュラム
ロシアバレエのカリキュラムは、生徒たちをそのように導くように段階的に設計されています。
全8学年を通して高度な芸術性の習得を目指し、各学年ごとに修得すべき法則が定められ、日々の授業でていねいに指導されているのです。
つまり一つひとつの踊りの上手下手にとらわれるのではなく、最終的な芸術(演技)の極致を見据え、そこに至るための基盤となるバレエの法則を着実に体得していくことが何より大切なのものとなります。
バレエの法則を学ぶ
一方、多くの人は足がどこまで上がるかとか、甲がどこまで出るかとか、解剖学に代表されるモノとしての体に注目してしまいがちです。
解剖学的条件が重要であることは間違いないのですが、その条件を満たしたとしても法則が抜け落ちていたらそれはロシアバレエにはなり得ません。
本当の意味で優雅で格調の高いロシアバレエを学ぶには、法則の習得が必須不可欠です。法則の理解の有無によって上達のスピードも最終的な完成度も大きく変わってきます。
改訂する理由
現行版を作成後、バレエ教師として研鑽を重ね成長させていただきました。主な通過点を3つ挙げると下記のようになります。
- ワガノワ・バレエ・アカデミー主催バレエ教師再教育プログラム初級修了(2018)
- ヴャチェスラフ・イリイン先生より、ワガノワバレエ教授法全課程ディプロマを取得(2020)
- ワガノワ・バレエ・アカデミー・バレエ教授法学科長マリア・グリバーノワ先生よりコンビネーションの組み方講座にて最高評点(満点)を頂く(2022)
これらの実績の一つ一つが、ロシアバレエ教授法に対する理解を深め、生徒さんへの言葉がけも大きく変わってきました。
バレエの法則そのものは変わるものではありませんが、現行版のままにしておくのではなく、2023年全面改訂に取り組むことに致しました。
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このように重要なバレエの法則を広く一般の方々に知っていただきたく、毎日1つずつ簡潔に法則を解説したメールマガジンを配信しています。
全100の法則をバレエ初心者の方にもわかりやすくご紹介させていただいております。
バレエに少しでも興味のある方は、この機会にぜひご登録ください。すぐに一通目が届きます。きっと、ロシアバレエの芸術性の核心に触れられるはずです。
なお、現行版での受付は令和6年3月までとさせていただきます。現在改訂版を作成しており、準備ができ次第、改訂版に切り替えさせていただきます。
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