バレエの本場−ロシアでは、4つの基準で子どもたちを選びます。
- 外見
- 顔立ち
- 身体的条件
- 音楽性
3の身体的条件として、次の12項目が審査されます。
- 膝が飛び出ていないで脚のなかに収まっていること
- 脚を6番にしたとき、O脚でないこと
- 横から身体を見たとき、脚の付け根が曲がった「くの字」になっていないこと
- 横から身体を見たとき、お尻の下にくぼみが出来ていること
- 1番で立てること
- 扁平足でないこと
- 発達しすぎる太ももを持っていないこと
- 背骨が真っ直ぐであること
- 座高×100÷身長の値が、50〜52のなかに収まっていること
- 1番のドゥミ・プリエで膝がつま先の方に向くこと
- 軸脚アン・ドゥオールのままで動脚が後ろ・前・横によく上がること
- トランポリンジャンプで良く跳べること
3番目の項目では、骨盤の前傾がないか見ています。もし前傾があれば、反り腰、出っ尻と言ったアライメントの問題を抱えることになります。
また、股関節前側の靱帯が短い可能性があるので、アン・ドゥオールやアラベスクの動脚の高さが制限されるかも知れません。
9番目の項目では、脚の長さを見ています。
生まれつきよっぽどのモデル体型じゃないと通らないレベルです。
10番目の項目では、膝下の骨にねじれ(脛骨捻転)がないかどうかを見ています。
もしねじれがあると、正しいプリエができないので、上達の妨げになるからです。
11番目の項目では、特に後ろ方向への脚の上がり具合をチェックします。
高くなればなるほど軸脚が内側に向きやすくなります。
アン・ドゥオールを維持したまま高く脚を上げられるということは、股関節で良く開けているということです。
どれも厳しいですね。
解剖学的な標準からは、かけ離れたものばかりですので、ロシア人と言えども、容易にはクリアできそうにありません。
このような難関をくぐり抜けて入学できた子どもたちが、8年かけてバレエ教授法に基づく指導を受け、卒業し、プロになるのです。
上記のようなオーディションを経ていない方は、趣味の延長では到底追いつけそうにありません。
私がそうであったように、人一倍レッスンした所で身体を壊すのが落ちです。
少なくとも前提条件の不足を埋め合わせるための「何か」が必要です。
その「何か」については、今後お話していきたいと思います。
P.S.
※1 すでにバレエトレーナーさん達と一緒に始めた大人向けのプログラムがあります。詳しくはこちら。
※2 0番目の項目はこれ↓かも知れません。
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