ロシア・メソッド初級で学ぶポアントの動きには、アレグロで学ぶ動きと同じ名称のものがあります。
例えば、Pas échappé、Pas assemblé、Pas glissade、Sissonne simple、Sissonne ouverte、Pas ballonné、Pas jeté、Changement de pied…
なぜ、アレグロの課題と同じなのでしょうか?
それは…、
動かし方が同じだからです。
上達のセオリーといえば、
ゆっくりな動きから速い動きへ移行する
というものですが、ポアントに関してはゆっくりな動きは初級では出てきません。
ロシア・メソッド初級のポアントの課題は「跳び乗り、跳び下り」です。
速く立ち、速く下ろします。
初級の最後の学年である3年からゆっくり下ろす動きが少し加わってきます。
Pliéから一気に立ち、Pliéに一気に下ろす。
これが初級での課題です。
ロシア・メソッド上級では学年末テストで、すべての動きをポアントで行うようになります。
そのため、ゆっくりなセンターでのアダージョなども足裏を使ってトゥで立たなくてはなりません。
初級ではまだその段階にないので、まずはアレグロのように「立つ、下りる」ということだけをしっかり行えるようにします。
立つことができるようになって、ゆっくりな動きに対応できるように持っていくのです。
普通の上達のセオリー「ゆっくりから速くとは逆」です。
立つために大事なのがPlié。
Pliéで十分に膝を粘らせて、一気に立ちます。
そのときに少し跳び乗るように行います。
この動かし方がアレグロと同じです。
アレグロは高く跳びますが、ポアントは少しだけ跳びます。
トゥシューズで足裏を意識するのは大変です。
足裏を意識することよりもトゥの先端にいかにして立つか、そしてその立ったポジションをいかにしてキープするか、ということにフォーカスしたほうがいいです。
1. 立つためには正しいpliéが必要。
2. 立ったポジションをキープするためには上体の正しいポジションと強さが必要。
3. きれいなトゥのためには足首の可動域が必要。…ここは個人差がありますので、なんとも言い難い。
4. そして中足骨が揃っていること。
1と2は教授法的に改善可能な部分です。
3は整体やトレーニングへ。
4はイカ足サポーター………。
ぜひポアントワークでお悩みの方には、教授法的な上達の段階を知っていただきたい。
自分の身体を改造するのではなく、学びの順序を変えるだけで改善されます。
上達のセオリー、ゆっくりから速く、ではないので、ここは要注意です。
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