
提示されたアンシェヌマンの順番を覚えるのは、
生徒にとって当たり前のこと。
そして教師への礼儀である。
なんて、言葉を聞いたことがあるでしょうか?
本当にそうなのでしょうか?
大事かもしれないけど、それよりもやるべきことがあると思います。
私の話で恐縮ですが、
私が担当する、大人クラスのレッスンは、
毎月4週で、同じアンシェヌマンを踊ります。
そして12ヶ月、ほぼ全て違うアンシェヌマンで構成されています。
月の構成は下記の通り
1週目は、順番をなぞり
2週目は、順番を覚えながらステップの細かい動かし方に気をつけ
3週目は、順番はほぼ頭に入ったので更に動きの精度を上げていき
4周目は、動きそのものを楽しむ
という流れでレッスンを進めます。
もちろん経験年数によっては、最終週までアンシェヌマンの順番を覚えることに終始するかもしれません。
でも、それでもいいのではないでしょうか?
私が大人リーナに経験してほしいことは、
順番を覚えることに頭を使うのではなく、
動きの引き出しを増やすことなんです。
「あ、この動き、どこかでやったことある」
そう、この感覚。
この感覚を増やしたいんです。
お教室によっては、
大人リーナにはヴァリエーションを踊らせない
というところもあるでしょう。
その理由が、
「大人は動けないから」
だとしたら、それは教師の責任だと思うのです。
なぜなら、多様な動きを経験させてないから。
大人が動けないのは、多様な動きに慣れていないから、ですね。
毎レッスンで同じアンシェヌマンを提示する教師もいます。
その構成は誰のためでしょうか?
同じアンシェヌマンばかり踊っていると、そのアンシェヌマンの完成度を高めることはできても、新しい動きには対応できないのではないでしょうか?
だからヴァリエーションを踊る条件が揃わないのでは?
それって、生徒のせいじゃないと思うのです。
きちんと順番を覚えることよりも、多様なパターンに慣れることのほうが大事だと思うのです。
多様なパターンが入っていないから、順番が覚えられない。
指導の順番が逆ですね。
もし多様なパターンのアンシェヌマンが組めないとしたら、それは教師の勉強不足です。
自分の勉強不足に気づかずに生徒のせいにする教師が少なからずいる。
これは悲しいことですが、現実です。
さて、どうしたものか。。。
ちなみに、ロシアのバレエ学校では週6日間のレッスンのうち、3日間ずつで同じアンシェヌマンを踊ります。
毎回違うアンシェヌマンではありません。
それも週の前半と後半で全く違う構成ではなく、少し変化を加える程度です。
教授法的に伝えたいことがあるから。
学ぶ、ということに重点を置いたレッスンですね。
※関連記事:バレエのこれがないと上達しない!5つの要素〜その2深部感覚
→深部感覚を鍛えると上達のスピードがぐんとアップします。

