ロシアの国立バレエ学校では、
生徒達はクラシックバレエの他に様々なレッスンを受講します。
ヒストリカルダンス、バレエ体操、デュエット、アクチョール、キャラクターダンスなど。
ヒストリカルダンスは、優雅な動きをマスターするためには必要不可欠なレッスンです。
日本では、馴染みがありませんね。
ロシアでは1年生(10歳前後)からクラシックと並行して学びます。
HISTORICAL ヒストリカル
ヒストリカルダンスとは、歴史舞踊、宮廷舞踊のことです。ヨーロッパ諸各国中世の宮廷、貴族の間で踊られてきた、現在のバレエの動きや、しぐさの元祖となるものです。その時代の歴史的背景に従い、衣裳も変化してきたので、必然的に動き、踊りもその衣裳によって変化してきました。
クラシックの全幕作品、例えば「眠りの森の美女」、「白鳥の湖」、「ライモンダ」などにしても貴族、宮廷のシーンが出てくるので、ヒストリカルは必要不可欠です。ただ、日本では学ぶ機会がなかなかなく、全幕作品を踊るときにどうしても宮廷のシーンはお粗末なものになりがちです。衣裳をどの角度でどのように操ると一番綺麗なラインが出るかという衣裳の操り方ひとつとっても、ヒストリカルの基本は重要です。
ロシアのバレエ学校では、ヒストリカルダンスは必修科目のひとつです。1 学年から3 学年の低学年では、ポロネーズ、ワルツ、基本的なステップ、歩き方、男女の手の組み方、エスコートの仕方やされ方などを色々な図形で空間移動しながら、またはエチュードの中で学んでいきます。その後の学年ではヒストリカルの授業はいったんお休みになり、卒業年度にはまた必修科目として、アリマンダ、ロマネスク、メヌエット、ガヴォットなどあらゆる踊りを学んで行きます。
当スタジオでは、教授法ベーシッククラスでは、クラシックと平行にこのヒストリカルダンスの低学年で学ぶ基本的なことも学んで行きます。ヒストリカルダンスクラスでは、卒業年度に学ぶ踊りを丁寧に指導していきます。
上記はバレエスタジオ リビーナさんからのクラス紹介からです。
奥が深いですね。
ヒストリカルなしに優雅な身のこなし、動かし方はできないということですね。
レヴェランスもその一つ。
ヒストリカルダンスでのレヴェランスは、頭を大きく回しながらお辞儀をします。
一方、クラシックはヒストリカルとは少し違うけど、共通点が多い。
2年生のクラシックのレヴェランスを見てみましょう。
頭の使い方がヒストリカルと少し違う。この差がわかりますか?
クラシックの要素とヒストリカルの要素、両方知っていないとできません。
クラシックでの頭の使い方はヒストリカルほど大げさではありません。
7年生になるとこうなります。
2年生に比べて、上体の動きがもっと大きくなり流れるようになっています。
こうやって優雅になっていきます。
ヒストリカルダンスの基礎、クラシックバレエの基礎、両方ないと優雅にならない。。。
ちなみに、キャラクターダンスのレヴェランスはクラシックとは全く違います。
レヴェランス一つとっても相当な情報量です。
踊りなら、もっと情報量が多いです。
この情報を知っているか知らないかで、踊りの質が変わります。
優雅に動くためには、やはり踊りそのものを「知る」ということが大事になってきます。
踊りそのものを知っている教師から学べたらどれほど良いでしょう。
日本では、非常に難しいことですが。
ここに問題意識を持っていただければ、生徒さん自身でもある程度の知識を得ることは可能なはずです。
バレエのレッスンをただ受けているだけでは足りないかも知れませんよ。