海外の国立バレエアカデミー教師への質問。
「日本の子どもたちはアカデミーの生徒ほどターンアウトができません。その場合、どのような指導をなさいますか?」
「何も変わりません。アカデミーと同じようにターンアウトするように指導します。もちろん骨格的な問題がある子がいるのは理解しています。ですが、精一杯ターンアウトするように指導します。なぜなら、ターンアウトなしにバレエの上達はありえないからです。」
耳が痛い。。。
さて、このやり取り、どう思われますか?
確かに、ターンアウトの仕方を知らない生徒もいるので、この先生の回答はうなずけるところがあります。
ですが、アカデミーと同じようにはいかないのも事実。
国立バレエアカデミーにはオーディションで選ばれた子どもたちが入学してきます。
ターンアウトできている子が選ばれます。
バレエ教師はターンアウトできている子を指導するのです。
これが前提条件です。
日本のように誰もがバレエを学べる環境下では、ターンアウトできる子もいればできない子もいます。
しかも、ターンアウトできない子の方が圧倒的多数。
ターンアウトできる子が集まる国立バレエアカデミー教師には「ターンアウトできない子」への配慮はありません。
アカデミー生のターンアウトが緩んでるとしたら、それは生徒の怠慢によるものだからです。
決して骨格的な問題ではなく。
日本ではこの問題は大きいですね。
そうなると、日本人向けの指導法が必要です。
西側では子どもの成長に合わせてターンアウトの角度を広めていきます。
詳しくはこちら『ターンアウトは大人でも努力したらできるようになる?』をお読みくださいね。
子どもにはターンアウトが改善する余地がありますが、大人リーナには難しいですね。
もう一つの問題として、大人リーナの踊りの指導で
何でもかんでもターンアウトができていないから、と言われることはないですか?
そして、ターンアウトできない自分を責めたりすることもあるでしょう。
「めいいっぱいターンアウトしているのに、もっと努力が必要なのか…」
でもそれって、本当にターンアウトができないせいでしょうか?
もしかして教師の指導内容に問題があるのでは?
ターンアウトのことしか言えない教師に対しては少し疑問を持ったほうがいいかもしれません。
なぜなら、ロシアのバレエ学校は8年生まであります。
ターンアウトができている生徒が学ぶ内容が8年分あるということです。
何でもかんでもターンアウトのせいにしていたら、それらはいつ学べるのでしょうか?
ターンアウトができたほうがいいけど、できないものは仕方ない。
仕方ないことと対峙していても埒が明きません。
時間ばかり過ぎてしまいます。
だから、それ以外の部分に磨きをかけましょう。
そのターンアウト以外の部分を磨いてくれる教師を見つけてほしいです。
大人リーナ向けの指導ができる教師を探してください。
その出会いがあれば、レッスンが苦痛ではなく楽しみに変わるはずです。
それともう一つ。
大人リーナ自身がバレエに詳しくなってしまうことです。
大人は知識が先行することで上達が早まりますので。