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バレエのヴァリエーションで有名なイタリアン・フェッテを習得する5つの段階

バレエを習った方ならきっと夢見るイタリアン・フェッテ。

 

きれいに且つ正確にできたらどんなに素晴らしいでしょう。

 

正確に動けるようになるには、正確な指導が必要です。

 

ところで、イタリアン・フェッテの正確な指導には5つの段階があることをご存知でしょうか?

 

その指導法の前に、悪い指導法をお伝えします。

 

それは、

 

動きを断片的に教えるというもの。

 

例えばスローモーションで動きを見せ、少しずつ丁寧にその動きを見せて行わせるというもの。

 

え、これが悪い指導?

 

スローモーションで丁寧にその動きを教えてくれるから、これって良い指導なのでは?

 

そう思う方が多いのも頷けます。

 

多分、これが日本におけるスタンダードな教え方だと思うので。

 

ですが、ロシアバレエ教授法では、イタリアン・フェッテに行くまでに順序があります。

 

この順序をスキップしていきなりイタリアン・フェッテは、ありえません。

 

まず、イタリアン・フェッテの正式名称から。

 

Grand fouetté en tournant en dedans, attitude croiséへ

 

です。

 

この動きは7年生の課題です。

 

7年生でいきなり出てくる動きではありません。

 

学年別の課題をご紹介します。

 

2年生バー:Fouetté en dedans, 動脚つま先床, 軸脚かかと床(1/4,1/2回転)

4年生センター:Fouetté en dedans 45°, demi-pointe(1/2回転)

5年生センター、ポアント:Grand fouetté en tournant en dedans Ⅰ・Ⅱ arabesqueへ

6年生センター、ポアント:Grand fouetté en tournant en dedans Ⅲ arabesqueへ

7年生センター、ポアント:Grand fouetté en tournant en dedans Ⅰ arabesqueへ、Grand fouetté en tournant en dedans attitude croiséへ=Italian fouetté, 連続4回

※イタリアン・フェッテは en dedans の動きなので、en dehors の課題はここでは割愛しています。

 

学年ごとに入り方も指定されています。

 

2年生、4年生では基本的な foeutté の動かし方をします。

 

課題としてはありませんが、3年生では2年生の動かし方を反復します。

 

それほど難しい動きだからですね。

 

丁寧に時間をかけて身につけていきます。

 

4年の動かし方は動脚が45°になります。軸脚も demi-pointe になります。

 

5年からは入り方が多様になり、イタリアン・フェッテに近づいていくような動かし方になってきます。

 

5年からは学年が上がるにつれて徐々に回転数が増えていきます。

 

そして、7年でイタリアン・フェッテの形になります。

 

このように段階的に回転を増やしていきます。

 

回転数だけを見るとイタリアン・フェッテよりも7年の課題「Grand fouetté en tournant en dedans Ⅰ arabesqueへ」のほうが多いです。

 

この課題は単独で行います。連続技にはならない動きです。

 

回転数が一番多い動きを単独で行い、つぎにイタリアン・フェッテを連続で行っていきます。

 

 

さて、イタリアン・フェッテをスローモーションで教えても回転数に変化はありませんね。

 

スローでも上体の回転数と脚の高さという難度は変わらないということになります。

 

結局、スローで丁寧に教えても難度が落ちたのはスピードだけということになります。

 

前段階なくいきなりこのような動かし方では難しすぎます。

 

 

2年から始まった fouetté は、

 

動脚が高くなり、軸脚が demi-pointe や pointe になり、上体の回転が増え、段階を踏んで難度が高くなっていきます。

 

この段階を無視しての動かし方は前回のブログでご紹介した「飛び級」です。

 

スローで教えても飛び級に変わりがないということです。

 

飛び級と言っても、本当に上の級に上がれている訳ではありません。

 

上がれたような気になっている「もどき」です。

 

イタリアン・フェッテも出来たのではなくて、「イタリアン・フェッテもどき」が出来ただけです。

 

飛び級で指導してしまうのは、教授法の段階を知らないからです。

 

知らないものは認識されない。

 

「もどき」を出来たと勘違いし、自信たっぷり雄弁にバレエを語るのです。

 

教授法に従えば各学年での課題に忠実に段階的に難度を上げていく。

 

このプロセスなしに指導することは、罪だと言うことを教師は理解する必要があります。

 

とは言え、その理解を期待するのではなく、どうか生徒さんの側でそういう意識を持っていただきたいのです。

 

そして生徒のみなさんが自衛なさってください。

 

そのために必要な情報は本ブログで発信して参ります。

 

今は誰でも情報発信できる世の中です。

 

私からすると、「え〜、ちょっと待って!これ発信しちゃうの?」と信じられないような内容で発信しているバレエ教師も少なからず(ちょっと多い(泣))います。

 

ロシア人教師からは笑われています。

 

バレエ教授法に照らしたらデタラメもいいところを、さも「正しいバレエはこうです」と言い切ってしまう。

 

言い切られたら生徒さんが信じてしまうのも無理はありません。

 

だからって信じたままでいい訳ないですね。

 

なので、そういった情報を読むときは発信者のバッググランドをぜひチェックしてください。

 

バレエ教授法を何も修得せず、いきなりバレエ教師になったような輩はすべて黒と見ておいたほうが無難です。

 

プロとしての経験、留学経験からいきなりバレエ教師になった場合も同様です。

 

トレーナーや治療家がバレエの解説を始めた場合も同様です。

 

そうやってバレエが蹂躙されているのが今の日本のバレエ界です。

 

ちなみに、イタリアン・フェッテでは、二つのフェッテを入れて行います。いつか行い方の詳しい解説をできたらと思います。

 

 

【参考動画】

5年生のGrand fouetté en tournant en dedans Ⅰ arabesqueへ(入り方:piqué)

 

7年生のイタリアン・フェッテ

 


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