
私は『ジゼル』を舞台で踊ったことがありません。
なので、ジゼルの演技法的な解釈や動きの理解がプロのダンサーには遠く及ばないと感じています。
そういうときは師匠に聞くのが一番です。
師匠がいて、本当によかった。
何が知りたかったかと言うと、『ジゼル』第2幕pas de deux冒頭のdéveloppéのポーズはどれなのかとってもとっても知りたかったのです。
まずは、参考動画から。
【écarté derrièreバージョン】
①Olesya Novikova (Mariinsky Ballet)
【à la secondeバージョン】
②Olesya Novikova (Mariinsky Ballet)
③Svetlana Zakharova (Bolshoi Ballet)
④Iana Salenko (Staatsballett Berlin)
⑤Agnes Letestu (Paris Opera Ballet)
⑥永久メイ (Mariinsky Ballet)
⑦Anastasia Matvienko (Mariinsky Ballet)
⑧Maya Dumchenko (Mariinsky Ballet)
⑨Anastasia Kolegova (Mariinsky Ballet)
圧倒的多数でà la secondeの勝ち!です(笑)
いやそんな単純な話ではないですね。
スラーヴァ先生にお聞きしたところ、à la secondeで上体を倒す行い方だ、とのこと。
Battements tendus à la seconde で頭をつける行い方がありますね。
前から後ろへ行くとき、頭は軸脚側につけ、少し下を向きます。
これと同じ行い方です。
動脚が高くなったから上体が大きく倒れる。
Olesya Novikovaは①と②でそれぞれà la secondeとécarté derrièreで行っています。
これが引っかかった。
どっちなのよ〜!
スラーヴァ先生曰く「écarté derrièreはおかしい。アルブレヒトに対してお股全開は恥ずかしい」
そうか〜、たしかに恥ずかしい。
結婚していない乙女がお股全開って(笑)
やはり圧倒的多数のà la secondeに意味があるということですね。
- 動脚が一番長く見えるポジション
- アルブレヒトに対してお股全開にならないポジション
- 顔を下に向けることで悲しみを表現できる
このような意味があると思います。
実は、ロシアで踊った経験のある知り合いにも聞いてみました。
「écartéもà la secondeもどっちもあると思います」とのこと。
真相究明の旅は続く…。
演技法の台本通りに踊るのがバレエダンサーの役目です。
今ではその演技法の部分もおろそかになりつつあると、ワガノワ・バレエアカデミーのツィスカリーゼ校長が嘆いていました。
確かに、演技法の部分が抜け落ちた作品を目にすることが多くなってきているように思います。
それでも、「知っていてやらない」「知らないからそもそもできない」では大きな差があります。
バレエを仕事にするのなら、前者でなくてはならないと強く感じています。
そして、スラーヴァ先生からお褒めのお言葉をいただきました。
「知らないことを先生に聞くのはいいこと。自分もわからないことがあると電話で自分の先生に聞くことがある」
これ、これです。
師匠を持つ喜び。
スラーヴァ先生、ありがとうございました。
PS
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