20年以上前のことです。
『「胡桃割り人形」論』
『十九世紀フランス・バレエの台本』
の著者、平林正司先生に講演していただいたことがあります。
テーマは【ジゼル】
平林先生の著書を手に取ったときの衝撃は今でも忘れません。
「この方に会わなくてはならない」
そう思ったのです。
当時、慶應義塾大学法学部教授でいらした先生にお話を伺うにはどうしたら良いだろうか?
はい、慶應義塾大学に電話しました。(笑)
私がバレエ教師であること、著書に感銘を受けたこと、お話を伺いたいこと
これらを慶應義塾大学の職員の方にお話したところ、
なんと、平林先生に繋いでくださったのです。
電話越しの平林先生は、一介のバレエ教師の私の突飛な行動にも紳士的に対応してくださいました。
そして、なんとご自宅が近くということを知り、ご招待されてしまったのです。
はい、遠慮せずに行ってしまいました。(笑)
先生のご自宅で目にした資料、お話、どれも宝石のようです。
そして、このような経緯から、スタジオにお招きして講演していただく運びとなりました。
なんという展開。
講演テーマは「ジゼル」。
たいへん素晴らしい内容でした。
バレエ作品の理解には、学術的な考察がとても大事だということを実感した時間でした。
そして、私が長年疑問に思っていたことをこぼれ話でお聞きすることになったのです。
それは、眠れる森の美女のオーロラ姫に関するお話。
「そうだったのか!」と唸ってしまいました。
レッスンをしていると、手足をどう動かすかとか、そういうことに関心が寄せられがちです。
でも、それだとバレエと運動が同列になってしまう。
平林先生が本や講演を通して私達に伝えてくださったような知識が、バレエをバレエたらしめているのだと実感致しました。
バレエを踊る人、教える人、観る人すべてに知っていただきたい知識の数々。
その一部を今週のバスターズサロンにてお話しします。
ぜひお見逃しなく!
参考文献
『十九世紀フランス・バレエの台本』平林 正司 (著)、慶應義塾大学出版会
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