一般社団法人日本ワガノワバレエ協会(JVBA)主催の
ワガノワ・バレエアカデミー教授法学科長のマリア・アレクサンドロヴナ・グリバーノワ先生のセミナー。
今回はDAY2について。
今回は衝撃の初級の内容でした。
初級は1学年から3学年まで。2時間たっぷりの濃密な講義となりました。
1学年の内容でプリエについての解説でびっくりなお話がありました。
それは
「1番から行うのが基本ではあるが、en dehorsが十分に備わっていない生徒には2番からのプリエが有効」
え?
耳を疑いました。
なぜなら、
プリエが順序通り、つまり第1ポジションから行われるという伝統は、全くの偶然でも愚かなことでもない。プリエを第2ポジションから始めることを勧める声があったが、私はそれに賛成することはできない。プリエは、最初にはより安定のある第2ポジションから習い始めることが容易であるかのように思われるが、しかし、このようなやり方には欠点がある。なぜなら、プリエの習得をこのポジションから行うと、脚がより安定している状態のために、上体の緊張がゆるみやすく、全身の必要なまとまりがなくなるからである。それゆえに、プリエは第1ポジションから習得を始めるほうが正しい。このポジションにおいては、脚のより不安定な状態が、舞踊手の全身のバランスを作り上げている垂直線を保持するために、最初から努力を強要するのである。これが筋肉を制御させ、屈んだとき、臀部を突き出すようなことをなくさせ、体全体をよりひとつにまとめさせ、この正しい状態が、すべてのプリエのための基礎を与えるのである。第2ポジションでは、もっと上級の生徒でさえ、これの達するのははるかに困難である。まして、初級の子どもにとっては危険ある。
~『ワガノワのバレエ・レッスン』新書館発行 34pより~
ワガノワ先生とおっしゃていることが違う。
もちろん、ワガノワ・バレエアカデミーに入学する生徒は全員en dehorsの能力の備わっている生徒さんたちです。
ですから、アカデミーの生徒が2番からプリエを行うとは到底考えられません。
それはワガノワ先生がおっしゃっている内容と一致します。
ですが、en dehorsの能力が乏しい子たちにとって、2番から始めるというのは朗報?なのかもしれません。
実際RADメソッドでは2番からプリエを始めるわけだし。
足を2番にして、両膝を少し曲げ(上体を下げる度合いについては、教師から指示があるはず)、両膝を横へ押し開きながら上体を沈めていく。もとに戻る。1番の足で同じことをくり返す前に、2番のドゥミ・プリエを3回くり返してみる。『ステップ・バイ・ステップ BALLET CLASS ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンシング編』文化出版局発行 43p~より
でも、これは発展しているということなのだと理解しました。
時代の変化に合わせて発展というより、生徒の能力に合わせて変更している。
アカデミーだけでなく、様々な国で様々な条件の子どもたちと接しているグリバーノワ先生のお言葉です。
これだけでも相当に重い。
いや~、びっくりです。
DAY1の記事で述べた「批判的」をご自身の師であるワガノワ先生の教えにも向けていた。
そして、(条件によっては)その真逆を正とした。
教えに忠実とはまさにこのことですね。
いや~教授法を進歩発展させようとする気迫を感じざるを得ません。
久々にしびれました!
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