私が「解剖学的アプローチのバレエ」を推奨していた時期、
私は、これこそがバレエを志す全ての人を救う正しい道だ、と思っていました。
そこには無知の恐ろしさを知らない傲慢な私が存在していました。
私が「解剖学的アプローチのバレエ」を推奨していた時期、
私は、これこそがバレエを志す全ての人を救う正しい道だ、と思っていました。
そこには無知の恐ろしさを知らない傲慢な私が存在していました。
ワガノワバレエアカデミー教師課程資格取得のロシア人先生より
ロシア・メソッド教授法で3年生の課題を学んでいます。
つい先日、Flic-flac (フリック・フラック)について学びました。
Petit battement の要領で、つま先で床を叩く動きです。
「この動きは舞台では出てきません。エクササイズとしてだけ行います。」
舞台で踊らないのに、なぜ練習するのでしょう?
少し長めの冬休みを終え、
今週から大人オープンクラスを再開しています。
冬休みの間に私の指導とは違う動きになってしまった生徒さんがいらっしゃいました。
作品の登場人物の性格を物語るためには
動きのニュアンスが大事ですね。
『くるみ割り人形』の金平糖の精ではどのようなニュアンスで表現すればいいでしょうか?
肋骨閉めて!
と、指導されたことのある方はいらっしゃいますか?
私自身は、殆どありません。
ところが、なぜかこれ最近よく目にします。
そこで、これが本当に従うべき指導かどうか、調べてみました。
両脚プリエから片脚のトゥに乗り、動脚をルティレにする動きがあります。
キトリがパッせしながら脚を素早く上げ下ろしするあの動きです。
正確には、
脚を入れ替えない動きを、Sissonne simple sur la pointe
脚を入れ替える動きを、Sissonne passé sur la pointe
と呼びます。
この動き、見た目以上にとても複雑なんです。
ロシアの国立バレエ学校では月曜日から土曜日まで週6日クラシック・レッスンをします。
内容は、3日間単位で同じレッスン。
毎日違う訳ではないのです。
では、週6日生徒全員が通うわけではない日本で、しかも大人から始めた生徒さんの場合は、どのようなレッスンをすればよいでしょうか?
ワガノワやRADなどバレエにはいくつかのメソッドがありますね。
では、それらメソッドの違いがどこから来ているかご存知でしょうか?
これに関連して、ワガノワ・バレエ・アカデミー ニコライ・ツィスカリーゼ校長は、
「距離感・空間の差がメソッドの差」
と仰っていました。(2017.7.19@新国立劇場 公開レッスンにて)
「メソッド」と一言でくくってしまうとあまりに広範囲なので、今回は白鳥の湖の「動き」に注目して考察してみます。
Pas de bourrée suivi
Pas de bourrée couru
上記はメソッドによる名称は違えど、同じ動きを指しています。
suivi は、「追う」という意味で、ロシア・メソッドで使う用語です。
couru は、「走る」という意味です。
この2つ、行い方に明らかな違いがあるのをご存知でしょうか。
ロシア・バレエでは腕(アームス)の高さがポジションごとに厳密に定められています。
この2つ、腕の高さに違いがあることはご存知でしょうか?